2024年 4月 20日 (土)

高血圧症治す「利尿剤」でダイエット 本来の目的と違う使用に潜む危険

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副作用に筋力低下、不整脈、アナフィラキシー

   ラシックスは、高血圧症や腎性・肝性浮腫、尿路結石排出に効果がある医療用医薬品だ。国内で手に入れるには医師の処方箋が必要で、医師の指導のもとで服用しなければならない。だが、海外の製薬会社から個人輸入すれば処方なしで入手でき、個人輸入代行業者も存在する。

   副作用については、ラシックスを製造する国内の各製薬会社がウェブサイトで公開している添付文書に明記されている。投稿者が言う低カリウム血症もその一つだ。尿量が増えることでカリウムの排泄(はいせつ)量も増え、そのため筋力低下や不整脈を引き起こすおそれがある。副作用は他にも貧血、食欲不振、脱力感のほか、アナフィラキシーショックや血小板減少、間質性肺炎のような重症化するものまで複数ある。こうした症状が出たら投与を中止し、適切な処置を行うよう記載している。

   ラシックスの添付文書には、ダイエットや痩身を思わせるような効能・効果は書かれていない。製薬会社の業界団体「日本製薬工業協会」の審議会が策定した、医薬品添付文書の作成要領は、

「効能・効果に関わる情報については、承認の範囲外の記載をしないこと」

と定めている。承認の範囲外に副次的な効果が認められる場合は

「『参考情報』として(効果・効能と)明確に区別して記載し、効能・効果を誤解させるような表現をしないこと」

という注意もある。ラシックスは「参考情報」にもダイエットや痩身に関する記述はない。

   ダイエット目的の服用について、ラシックスの販売や安全性情報の収集・提供を行う日医工(富山市)は、J-CASTヘルスケアの取材に対し、「厚生労働省に承認された適応症(その医薬品によって治療効果が期待できる病気)以外の内容になりますので、お答えいたしかねます」とのこと。医薬品メーカーでラシックスを製造するサノフィ(新宿区)も同様の答えだったが、副作用については「添付文書に記載の副作用はもちろん起こり得ます」と話した。

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