2024年 4月 18日 (木)

3000安打イチロー「50歳までやる」 あと1256本打ってピート・ローズを黙らせろ

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   米大リーグ、マーリンズのイチロー外野手が2016年8月8日、メジャー通算3000安打という偉大な記録をついに達成した。大リーグ30人目、40代の選手として11人目。

   ここ数年は往年の安打製造機ぶりが影をひそめて限界説もささやかれていたイチローだが、一部にあった「今季中は無理」との予想を覆す記録達成で、本人が明言している「50歳まで現役」の本気度を示した。

  • 記録達成はあわやホームランかと思われる大飛球の3塁打だった
    記録達成はあわやホームランかと思われる大飛球の3塁打だった
  • 記録達成はあわやホームランかと思われる大飛球の3塁打だった

サイバーメトリクスで測れない

   7日(日本時間8日)、イチローはロッキーズ戦で6番・中堅で出場。7回にあわや本塁打かと思われる大飛球の3塁打を放ち、3000本安打を達成した。

   イチローは今季、メジャー16年目、日米通算プロ生活25年目、メジャー最年長(42歳)の野手としてシーズンを迎えた。ヤンキースからマーリンズに移籍して1年目の昨季は、4番手の外野手としてすごし153試合に出場、91安打したものの打率はキャリアで最低の.229に終わり、昨季終了時点で、あと「65」となっていた3000安打は年齢や各種データなどから16年の実現は無理との見方が大方だった。

   米紙ワシントン・ポストは当初、さまざまな観点から今季のイチローの成績を、よくて173打席で43安打と予想し「3000安打」に届かないとみていた。ところがいざ開幕するとイチローは、いわゆるサイバーメトリクスによる予想をことごとく覆す快進撃。同紙は6月16日付(電子版)で「イチローは開幕前予想が誤りだったことを証明」と題する記事を掲載し活躍を称賛した。

   同記事が紹介した同日現在のイチローの今季記録によると、三振率「5%」はキャリアを通じても最も低い数字。過去3季は10%以上だった。しかも見逃し三振はほとんどないという。また四球率は9.3%と、メジャー2年目の02年に近い高率。これら三振と四球をめぐる数字からボールがよく見えているといえるだろう。

   打者は年齢を重ねると動体視力が落ち速球をとらえられなくなる傾向にあるが、今季のイチローにはそれがみられないという。相手投手が決め球に、いわゆるフォーシームのストレートを投じた46打席で20安打を放ち打率は.435。また落ちる変化のボールにも強く、それらが決め球だった28打席で11安打し打率は.393。

   また日本でも「ご意見番」の野球評論家、張本勲氏は16年3月13日のTBS系「サンデーモーニング」で「65本は難しいね」とコメント。その理由として「(外野手の)4番手だから」と述べ、試合に出られれば、の条件付きで「達成できる」としていた。

Tシャツに込めた「イチローの主張」

   確かに昨季は振るわなかったイチローだが、実は今季は開幕前から秘かに好調をアピールしながら、メディアの取材には「50歳まで現役」発言を繰り返し、間接的に「3000安打今季無理」説に反論していた。

   イチローは3月のキャンプで、メッセージ入りTシャツを着て報道陣の前に現れ注目を集めた。変り種のイラストや写真、ジョークがプリントされたものにまじって、へたうまなイラストに、自身をアピールするフレーズが添えられたものだ。親交があるという、お笑いコンビ、ダウンタウンの浜田雅功さんのデザインという。

「人生は42歳から始まるんやて」
「肩もわりかし強いほうやし」
「守りも固めやし」
「脚もわりかし速いほうやし」
「見ての通り案外打つで」
「ケガなんかしたことないし」

   イチローは今季も、いわゆるレーザービームで補殺を記録。9盗塁を成功しておりメジャー通算500盗塁に到達した。これまで故障者リスト(DL)入りしたのは「胃かいよう」による1回(09年4月)しかない。

   Tシャツ披露と前後して、マーリンズの本拠があるフロリダの地元紙「サン・センチネル」が「イチローが最低でも50歳までプレーしたいと発言」(2月25日付電子版)を掲載。同内容の発言は15年10月にニューヨーク・タイムズ紙がイチロー特集で報じており、16年7月1日のシアトル・タイムス(電子版)に掲載されたイチローの3000安打をめぐる記事によると、記者が「50歳まで現役」発言を確認したところイチローは「少なくとも」と答えたという。

   イチローは6月に日米通算4257本目の安打を放って、大リーグ通算安打の記録(4256)を持つピート・ローズ越えを果たしたと話題になった。ローズはこのことについて日本の記録を加えることに不満を表明し、自分の高校やマイナー時代の記録も加算したうえで比較してくれなどと発言したという。メジャー16年で3000安打のイチロー。50歳まではあと8年、1257安打の上積みを見込めなくはない。真のローズ越えも夢ではなさそうだ。

   「50歳以上でプレー」は、米大リーグでは投手の戦力としての例はあるが、野手では例はあっても戦力にはなっていないようだ。高齢での野手の戦力例といえば日本でもプレーしたフリオ・フランコがあげられる。42~46歳のときにブレーブスに在籍し「史上最年長」の数々の記録を塗り替えた。果たしてイチローはいくつ「史上最年長」記録を残すだろうか。

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