2024年 5月 7日 (火)

北朝鮮、「弾道ミサイルに核弾頭」と主張 5回目核実験の「現実的脅威」

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   北朝鮮の国営メディアは2016年9月9日午後、「核爆発実験」を行ったと報じた。日本の気象庁は9時30分ごろ、北朝鮮付近を震源とする自然地震ではない可能性のある地震波を観測し、日本政府が「北朝鮮が核実験を実施したと判断」(菅義偉官房長官)したことを受けての発表だ。

   北朝鮮は9月5日に弾道ミサイル3発を発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下させたばかり。今回の北朝鮮の発表では、この発射を担当したとみられる部隊の弾道ミサイルに装着できるようにした核弾頭の性能などを確認したと主張。この弾道ミサイルは移動式の発射台から発射されており、仮に北朝鮮の発表が事実であれば、北朝鮮が「どこからでも」核弾頭を発射する準備が整ったとも読める。

  • 弾道ミサイルは移動式の発射台から打ち上げられた(労働新聞ウェブサイトから)
    弾道ミサイルは移動式の発射台から打ち上げられた(労働新聞ウェブサイトから)
  • 弾道ミサイルは移動式の発射台から打ち上げられた(労働新聞ウェブサイトから)
    弾道ミサイルは移動式の発射台から打ち上げられた(労働新聞ウェブサイトから)
  • 弾道ミサイルの発射を視察する金正恩委員長。手元の地図には日本が写っている(労働新聞ウェブサイトから)
    弾道ミサイルの発射を視察する金正恩委員長。手元の地図には日本が写っている(労働新聞ウェブサイトから)
  • 弾道ミサイルは移動式の発射台から打ち上げられた(労働新聞ウェブサイトから)
  • 弾道ミサイルは移動式の発射台から打ち上げられた(労働新聞ウェブサイトから)
  • 弾道ミサイルの発射を視察する金正恩委員長。手元の地図には日本が写っている(労働新聞ウェブサイトから)

「核弾頭の構造と動作特性、性能と威力を最終的に検討、確認した」

   北朝鮮が核実験を行うのは、16年1月6日以来8か月ぶり5回目。気象庁が観測した地震の規模は、マグニチュード5.3と推定されており、北朝鮮が過去に行った核実験としては最大規模だとみられている。9月9日は北朝鮮の建国記念日にあたり、金正恩朝鮮労働党委員長の求心力を高める狙いがある可能性もある。

   朝鮮中央通信などは北朝鮮の国営メディアは同日午後、

「朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊が装備した戦略弾道ロケットに装着できるように標準化、規格化された核弾頭の構造と動作特性、性能と威力を最終的に検討、確認した」

などとする「朝鮮核研究所」の談話を報じた。

弾道ミサイルはトラック状の発射台から打ち上げられる

   北朝鮮は9月5日午後に日本海に向けてミサイル3発を発射し、北海道の奥尻島西方沖200~250キロの排他的経済水域(EEZ)内に落下させたばかり。その翌日の9月6日には国営メディアがその打ち上げとみられる「訓練」の様子を金正恩第1書記が視察したと報じていた。それによると、この「訓練」を担当したのが「戦略軍火星砲兵部隊」で、

「任意の時刻に任意の場所で敵に先制打撃を加えられる強力な軍種に強化発展した朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊の軍事的威力が全世界に誇示された」

などと説明。「労働新聞」に掲載された写真では、複数のミサイルがトラック状の発射台から打ち上げられているのが分かる。移動式の発射台から打ち上げていることを示すことで「任意の時刻に任意の場所で」攻撃可能なことを誇示する狙いがあるとみられる。これに加えて、正恩氏の前には地図が置かれており、すぐ横にたっている軍幹部とみられる人物が、指示棒で落下地点付近を指している。発射の正確さをアピールする狙いのようだ。

   北朝鮮は、こういった性能を持つ弾道ミサイルに核弾頭が搭載可能になったことをアピールする考えだとみられ、9日の声明でも

「核弾頭の標準化・規格化によってわれわれは、いろいろな分裂物質に対する生産とその利用技術を確固ととらえて小型化、軽量化、多種化されたより打撃力の高い各種の核弾頭を決心した通りに必要なだけ生産できるようになった」

としている。

   菅義偉官房長官は9日夕方の会見で、

「現段階において核兵器の小型化、弾頭化に成功したか否かについては、予断を持ってお答えすることは控えたい」

と述べるにとどめた。

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