2024年 4月 25日 (木)

「いないいないばあ」に驚きの脳効果 遊びながら赤ちゃんの頭が良くなる

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   赤ちゃんが「キャッ、キャッ」と大喜びする「いないいないばあ」遊び。楽しいだけではなく、赤ちゃんの脳の発達にとてもいい影響があることがわかってきた。

   遊び方にも、ママやパパが両手で顔を隠してパッと見せるスタンダードな方法だけでなく、赤ちゃんの大好きなおもちゃを隠して見つけさせるなど、高度な方法があるので、いろいろ試してはいかが。

  • 「いないいないばあ」は世界中の赤ちゃんが大好き
    「いないいないばあ」は世界中の赤ちゃんが大好き
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ママの顔が消えて現れる繰り返しが記憶力を鍛える

   「いないいないばあ」は、赤ちゃんが大好きな世界共通の遊びだ。英語では「Peeka-boo(ピーカ・ブー)」、フランス語では「Cache-cache cou-cou(カシュカシュ・クークー)」、ドイツ語では「Gugus dada(グーグス・ダーダ)」、イタリア語では「Bao bao cette (バオバオ・シェッテ)」など、言い方は様々だが、びっくりするほど似たリズムで赤ちゃんを喜ばせる。

   「いないいないばあ」が、赤ちゃんの脳に与える刺激を明らかにし話題になり、育児書としては異例の34万部を超えるベストセラーになった本が『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』(2015年5月出版・ダイヤモンド社)だ。著者は、脳科学者の久保田競・京都大学名誉教授と、その妻で数多くの育児書を出し「脳科学おばあちゃん」の異名をもつカヨ子さんの夫妻。

   この本によると、赤ちゃんの脳は刺激を受けるたびに脳の前頭前野の神経回路が複雑化し、発達が促される。神経回路は、1日に同じ働きかけを何度も繰り返すほど、しっかりしてくる。そして、神経回路を鍛える遊びとして最も簡単にできるのが「いないいないばあ」なのだという。

   そもそも、赤ちゃんはなぜ「いないいないばあ」をあれほど喜ぶのか。生後まもなくは、赤ちゃんはモノが「見えなくなること」と「なくなること」の区別がつかない。見えなくなったものは、すべて「消えた」と思ってしまう。ところが生後数か月たつと、「見えなくなっても隠れているだけで、そこにある」とわかるようになる。一時的に物事を覚えておく「短期記憶」(ワーキングメモリー)の力が芽生えてくるからだ。

   そこで、親が「いないいない」でいなくなり、「ばあ」で現れることを繰り返すと、その経験が「短期記憶」に蓄積される。そして、親が「いないいない」で消えても、「ばあ」で現れることを「予測」し、さらに親が現れることを「期待」するようになる。この「短期記憶する力」「予測する力」「期待する力」の3つが神経回路の刺激に大いに役立つという。

赤ちゃんのコミュニケーション力にもいい

   久保田競・カヨ子夫妻と同様に、「いないいないばあ」が脳の発達にいいことを強調しているのが内田伸子・お茶の水女子大学名誉教授(発達心理学)だ。育児専門誌「AERA with Baby」の2015年6月号のインタビューでこう語っている(要約抜粋)。

「『いないいないばあ』は生後すぐに始めてもいいですが、記憶力に結びつくのは生後10か月ごろ。この頃の赤ちゃんの頭の中では、記憶をつかさどる海馬という部分が劇的に活発化します。この記憶力の誕生が『いないいないばあ』を喜ぶことと密接な関係があるのです。海馬の前にあるのが扁桃体で、快・不快感情を喚起する場所です。赤ちゃんが快適な状態にある時は海馬がイキイキと働き、記憶もどんどん蓄積されます。しかし、不快な状態だと記憶機能全体の働きが低下します」
「『いないいないばあ』をして、赤ちゃんがたくさん笑うことで、扁桃体が『快』と感じ、海馬が活発に働く。それが記憶力アップにつながります。ママも思わず笑い返すので、相乗効果でどんどん楽しくなっていきます。これは人と人とが働きかけることの基本です。コミュニケーション力を養うことができます」

   いいことずくめの「いないいないばあ」だが、親が手で自分の顔を隠す方法以外に、どんなやり方で楽しめば、より効果があがるのだろうか。前述の『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』などをみると、次のような方法を紹介している。

   (1)2~3か月くらいのまだ寝ている赤ちゃんには、小さめの薄いガーゼを顔に落とし覆って行なう。ガーゼを揺らして目で追わせたり、覆う時間を短くしたり長くしたり、リズムに変化をもたせることがポイント。

   (2)もう少し大きくなってからは、親が手で自分の顔を隠す方法より、タオルなどで完全に顔全体を隠す方が効果は高い。赤ちゃんが慣れてきたら、「ばあ」をじらしたり、すばやく見せたりするなどタイミングを変えてみる。

   (3)ついたてやカーテン、ドアの陰などに体全体を隠し、「ばあ」と顔をのぞかせる。

   (4)親と赤ちゃんが一緒に鏡を見ながらする。赤ちゃんが鏡の中の親ではなく、振り向いて本物の親を見るまでやってみる。

   (5)6か月くらいで、赤ちゃんがお座りをはじめ、お気に入りのおもちゃが出てくるようになったら、おもちゃをハンカチなどで隠して「いないいないばあ」をする。ハンカチからタオル、座布団へと難易度をあげ自分で探させてみる。

   「いないいないばあ」は単調になりがちだから、バリエーションを豊かに楽しむといいだろう。

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