2024年 5月 1日 (水)

恒例「経済危機」本、17年版出ない 「リーマン」の年版も出なかった、と怯える人々

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   エコノミスト・高橋乗宣(じょうせん)さんと浜矩子(のりこ)さんの共著で例年刊行される「日本経済予測本」について、2017年版の刊行が予定されていないことが分かった。版元の東洋経済新報社がJ-CASTニュースの取材に明かした。

   日本経済の「崩落」「危機」「大失速」を約15年、予測し続けてきた同社刊行のこのシリーズ。しかし今、17年版の本が刊行されないことと、逆に実際に17年に「経済崩落」が起きるのでは、との予測を結びつける動きが、ネット上で盛んに行われている。どういうことなのか。

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刊行されなかった年に偶然...

   シリーズの第1弾となる『2001年日本経済 バブル後最悪の年になる!』は、高橋さんの単著として00年終盤に刊行、『2010年日本経済 「二番底」不況へ突入する!』からは浜さんとの共著になった。例年、翌年版が前年の10月から11月ごろに刊行される。

   これまで、『2006年日本経済 日米同時崩落の年になる!』、11年版『ソブリン恐慌の年になる!』、15年版『景気大失速の年になる!』、16年版『複合危機襲来の年になる!』などと、センセーショナルな言葉で日本経済の落ち込みを予想してきた。

   しかし、17年版は16年10月になっても、11月、さらには12月になっても刊行予定は発表されず、ツイッターを中心に

「紅白がなくなるような喪失感」
「休刊ですかね?」

と残念がる声が寄せられていた。

   一方、それよりもはるかに多いのが、

「まずいぞ」
「身震いがしている」

など不安、恐怖の声だ。

というのも、スタートからの連続刊行が途絶えて、その年は刊行されなかったタイミングで、あのリーマンショックが起こったからだ。シリーズの中で刊行されていないのは08年版と09年版の2つ。リーマンショックの端緒となった米投資銀行「リーマン・ブラザーズ」の破たんは、08年9月15日だった。例年の「日本経済破たん本」の刊行が止まった08年に経済的破たんが起きた、という事は、2017年版が出ないとなると...と類推しているわけだ。

東洋経済新報、刊行しない理由は「分からない」

   偶然にしては出来すぎている――。そう考えた人が多いのか、ツイッターのまとめサイト「Togetter」に16年12月11日、「高橋乗宣・浜矩子両先生の新著が出ないことに恐怖する人々」といった記事が投稿され、話題を集めた。

   「不安材料」はそれだけにとどまらない。目前に控えたトランプ米大統領の誕生とからめ、「トランプ政権が未知数すぎるし、米国が保護政策に走ったら(崩壊は)充分ありえる」と指摘する人もツイッターに現れた。

   リーマンショックとの「符号」とトランプ大統領誕生への不安。この2つを重ね合わせ、本に成り代わって経済の「崩落」を予測する人が続出している状況だ。

   東洋経済新報社の総務局はJ-CASTニュースの取材に対し、12月13日時点で17年版の刊行予定がないことを明かす一方、その理由は「分からない」とした。

 

   なお、高橋・浜両氏は2009年春、他の出版社(李白社、発売:フォレスト出版)から『2009-2019年 大恐慌 失われる10年』を共著で出している。

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