シベリア鉄道「北海道で連結」の実現度 日露首脳会談で合意あるのか

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   ロシアのプーチン大統領が2016年12月15日に来日し安倍晋三首相と首脳会談を行うのを前に、にわかに注目が集まっているのがロシアとの「経済協力」の内容だ。すでに両国では総額1兆ルーブル(約1.7兆円)を超える規模の経済協力計画について協議を進めており、その中には日本とロシアを結ぶ鉄道の計画も含まれる。

   仮にこれが実現したとすれば、鹿児島からヨーロッパまでが1本のレールで結ばれることになるが、実現性はあるのか。

  • シベリア鉄道は北海道まで直通するのか(写真はシベリア鉄道が発着するモスクワ・ヤロスラフスキー駅)
    シベリア鉄道は北海道まで直通するのか(写真はシベリア鉄道が発着するモスクワ・ヤロスラフスキー駅)

「サハリン-北海道の道路・鉄道の併用橋の建設」の可能性議論

   この経済計画は、ロシアのアレクサンドル・オシポフ極東発展第1次官と日本の片瀬裕文・経済産業審議官が16年10月にモスクワで会談して協議。その内容をロシア極東発展省が10月25日に発表した。発表によると、両国が

「サハリン-北海道の道路・鉄道の併用橋の建設、サハリン-日本のガスパイプラインの建設の可能性について議論した」

という。

   現時点では、モスクワから東方に伸びるシベリア鉄道は途中で分岐し、バム鉄道(第2シベリア鉄道)としてハバロフスク地方のビエツカヤ・ガバニまで続いている。一連の計画では、この路線をロシア本土から間宮海峡を超えてサハリンにまで伸ばし、サハリンからは宗谷海峡を超えて北海道の稚内にまで接続する。

   間宮海峡のトンネル建設はスターリン元首相が1950年に指示していたが、死去にともなって1953年に計画が中止されていた。

   計画で最もネックになるとみられるのが、最も幅が狭い部分で約7キロある間宮海峡と、約42キロある宗谷海峡間のトンネルや橋の建設だ。約20キロある津軽海峡をつなぐ青函トンネルは周辺部も含めると約6900億円の建築費を投じている。こういった規模感を踏まえると、老朽化しているサハリンの陸上部分の鉄道の再整備を含めた場合は総事業費用は数兆円のレベルに達する可能性もある。

日露では線路の幅とコンテナのサイズ違う

   仮に計画が実現した場合、日本と欧州の物流が船便に比べてスピードアップするが、建設費に見合う経済効果が得られるかは不透明だ。それに加えて、日本とロシアでは線路の幅やコンテナのサイズが異なるため、実質的な「大動脈」が実現するまでのハードルはきわめて高い。

   16年の10月のロシア極東発展省の発表では、オシポフ次官は

「12月には日露首脳会談が予定されている。それまでに、さらに協力のステップを前進させたい」

と話していたが、読売新聞と日本テレビが12月7日に行ったインタビューでは、プーチン大統領はシベリア鉄道の計画には触れていない。構想が10月から実質的に進展していない可能性も高い。

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