2024年 4月 26日 (金)

ダイハツ「トール」、トヨタブランドで大ヒット 「ルーミー」「タンク」が目標の5倍

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   トヨタ自動車の新型の小型乗用車「ルーミー」と「タンク」の受注台数が、2016年11月9日の発売から1か月で、ルーミーが約1万8300台、タンクは約1万7600台に達し、それぞれ月間販売目標(各3750台)の4.9倍、4.5倍にのぼった。

   「ルーミー」と「タンク」はともにトヨタの子会社であるダイハツ工業の新型の小型車「トール」のOEM(提携先ブランドによる生産)。また、SUBARU(富士重工業)の新型車「ジャスティ」もトールのOEMで、いわば「4兄弟」のような存在だが、売れ行きはトヨタブランドが断トツだ。

  • トヨタ「ルーミー」と「タンク」が売れている!(トヨタのニュースリリースより)
    トヨタ「ルーミー」と「タンク」が売れている!(トヨタのニュースリリースより)
  • トヨタ「ルーミー」と「タンク」が売れている!(トヨタのニュースリリースより)

トヨタへのOEMは「ブーン」に続き2度目

   発売以降、売れ行きが好調なトヨタ自動車の「ルーミー」と「タンク」は、企画・設計、開発、デザイン、製造に至るまでのすべてを、ダイハツ工業が手がけた。

   コンパクトでルーフが高めのボディにパワースライドドアを備える新型の小型乗用車。ルーミー、タンクとも、広々とした室内空間と走りのよさが売りの、「1LD‐CAR(ワン・エル・ディー・カー)」をコンセプトにした、5人乗り。

   いずれも、ダイハツがOEM供給した「ミニバン」だが、その違いは外観で、ルーミーのデザインは「品格と艶やかさ」を、タンクは「ダイナミックさとアグレッシブさ」を表現しているという。

   発売から1か月にあたる12月8日時点で、ルーミーの受注台数が約1万8300台、タンクが約1万6700台にのぼった。ダイハツが開発した衝突回避システム「スマートアシストII」の搭載の評判も上々のようだ。

   元々のダイハツの小型車「トール」は、「家族に絶妙新サイズ」がキャッチフレーズ。「軽自動車」で培ったパッケージング技術を応用し、コンパクトな外形ながら、ゆとりある室内空間を実現して小型車クラスに適用した。

   トールの月間販売目標は1000台だったが、12月8日までの受注状況は、約2500台と、こちらも好調だ。ただ、OEM先のトヨタには及ばない。

   ダイハツにとって、トヨタの小型車へのOEM供給は16年4月に発売したトヨタの3代目「パッソ」(ダイハツの「ブーン」)に次いで2度目。「軽自動車」のダイハツにとっては小型車への技術力と販売力のノウハウ蓄積につながり、かつトヨタの販売力によって販売台数が見込めることから、開発力の向上と資金効率のアップが図れる。トヨタグループにとっても「いいことづくめ」ということらしい。

同じOEMでもSUBARU「ジャスティ」は...

   同じようにダイハツ「トール」のOEM供給を受けているSUBARUのコンパクトカー、新型「ジャスティ」も、「BIG Pleasure Compact」をコンセプトに、運転しやすさと快適な室内を両立させ、後席両側にスライドドアを採用。やはり「スマートアシストII」も標準装備して、2016年11月21日に発売した。

   ただ、受注状況はさえない。SUBARUは「(販売実績は)まだ集計が済んでいません」としたうえで、「残念ながら、(トヨタの「ルーミー」「タンク」のように)爆発的というほど売れてはいません」と話す。

   「ジャスティ」の月間販売目標台数は500台。もともとの販売目標も「多くはありません」という。スバルの主力は、「インプレッサ」や「レガシー」「WRX」といった2000CC前後のSUV(スポーツタイプの多目的車両)やワゴンタイプで、小型車はいわば補完的な車種だ。販売サイドはむしろ、10月に発売した新型「インプレッサ」のほうに力が入っているようだ。

   とはいえ、デザインや性能などにそれほどの違いのない「ミニバン4兄弟」の中で、これだけトヨタの「ルーミー」と「タンク」が売れているのは、やはり「TOYOTA」のブランドであり、販売力であり、根強い「TOYOTAファン」の存在があるのかもしれない。

   そうした販売状況に、ツイッターなどでは、

「おいおい、ロゴ替えただけでこれかよ」
「トヨタさまさまだなw」
「車体そのものより、メーカー自体の信頼性と販売力違いってことか」

と、「トヨタの力」をあらためて認識する声が多い。一方で、

「トヨタは売れれば、それでいいの? 正直、あの手のコピー商品見るとなんだかなぁとは思う」
「トヨタのクルマはどれも他社のコンセプトのモノばかり」
「俺はスバルはスバルらしくあってほしいと思っている!」

など、「OEM」という手法に懐疑的な見方も寄せられている。

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