2024年 5月 6日 (月)

反トランプ報道は多数派なのか 入国禁止「賛成」49%の米世論

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   米国のドナルド・トランプ大統領が2017年1月27日に署名した、難民や中東・アフリカ7か国の人の米国への入国を禁止する大統領令を受けて、米国はもとより、世界各国で「反トランプ」の抗議デモが相次いでいる。

   米国はじめ世界中の多くのメディアが「反トランプ」の抗議デモのようすを伝えているが、肝心の米国でのトランプ「支持」は衰えていない。

  • トランプ大統領の「入国禁止」措置に、49%が賛成!(C)FAMOUS
    トランプ大統領の「入国禁止」措置に、49%が賛成!(C)FAMOUS
  • トランプ大統領の「入国禁止」措置に、49%が賛成!(C)FAMOUS

「より安全になる」31%

   ロイター通信が2017年1月31日に発表した世論調査によると、トランプ大統領による難民の受け入れ停止や中東・アフリカ7か国からの入国を一時禁止した大統領令の是非を聞いたところ、「強く賛成」「どちらかというと賛成」と答えた人は49%で、「強く反対」「どちらかというと反対」と答えた人の41%を上回った。10%が「わからない」と答えた。

   また、大統領令の効果については「より安全になる」と答えた人が31%で、26%が「より安全でなくなったと感じる」と答え、ここでも見方が分かれた。

   ただし、テロ対策として「米国がよい手本になる」と答えた人は38%、「悪い手本」とした人は41%だった。

   調査は1月30~31日、全米50州の約1200人を対象に、インターネットを通じて実施。ロイター通信は、「大統領令の内容は、大統領が選挙戦の時から約束していたものだが、米国民の支持は割れている」と伝えている。トランプ大統領は、2016年11月の大統領選での勝利後、米国内の「融和」を訴えたが、調査からは「分断」の深刻さが伝わってくる。

   米国民の半数近くが「トランプ支持」であることに、連日「反トランプ」の抗議デモのようすが報じられている日本では、意外な印象があるが、米国事情に詳しい第一生命経済研究所・経済調査部の主任エコノミスト、桂畑誠治氏は「支持層が60%に広がったわけではありません。大統領選でトランプ氏を支持した人がそのまま支持しているといったところでしょう。大統領令はトランプ氏が選挙公約を実行に移したものです。支持者にしてみれば、『ちゃんと実行しているな』と受けとめているわけです」とみている。

イエーツ司法長官代理は解任

   トランプ大統領の「入国禁止」措置をめぐっては、大統領令が憲法に違反するとする訴訟が起こるなど、混乱はさらに拡大。その一方で、トランプ大統領は1月30日、大統領令を拒否したサリー・イエーツ司法長官代理を「裏切った」と解任するなど、強硬な姿勢を崩さない。

   これには、日本国内でもツイッターで、

「トランプのイスラム圏入国禁止令を『憲法違反』として拒否したサリー・イエーツ司法長官代理は『アメリカの英雄』と讃えられたが、すぐにトランプに解雇された。他に国務省なども大統領に抗議しているが、この調子で反対派はすべて粛清されるのでは?」
「気に入らんヤツはすべてクビ、だな」

とトランプ大統領に批判的な声が多く寄せられている。

   その一方で、

「行政庁の幹部が公然と大統領令に従わないよう指示したら罷免されるのはまあ当然かと」
「トランプを擁護する意図はまったくないが、長官代行はオバマが任命した人物で、数日中にセッションズ上院議員に交代する予定。自分が任命したわけでない人物が自分の政策意図と異なる指示を出しているなら、組織運営上、問題になるのは当然だ」

などとツイートが見られる。

   さらにツイッターのまとめサイト「togetter」などには、

「トランプは真面目なんだろうなぁって思う。本当にアメリカという国を守りたいからこそ、でもそれを過激にしすぎてるんだと思う」
「みなさんこぞってトランプを非難しているけど、大統領が国民の生命と安全を守るのは当然のことです」
「トランプって方法はともかく理念とか主張そのものは国民にとって正しいんだよな。私は頑張ってほしいと思う」

などと、「トランプ支持」の声も寄せられている。

木村太郎氏「アメリカ国民が選挙で選んだんですよ」

   2017年2月1日放送のフジテレビの「とくダネ!」には、トランプ大統領の当選を「予言」していたジャーナリストの木村太郎氏が登場。メキシコの「国境の壁」や、今回の「入国禁止」措置など、矢継ぎ早に政策を繰り出すトランプ大統領について、「ぼくはトランプ支持ではないけど」としたうえで、今後もこうした「強権」が発動されると予測した。

   さらに、「トランプはアメリカ国民が選挙で選んだんですよ」と指摘。「トランプが(国境の壁や入国制限などの選挙公約を)言って当選したのだから、それを守る義務があるし、それを推し進めるしかない。激しいこと言っているがどこかで軟化するとかは考えないほうがいい」と語った。

   また、前出の第一生命経済研究所の桂畑誠治氏は、「トランプ氏は『自分は国民の支持を得ている』。だから、自分の意に背く邪魔者(イエーツ司法長官代理)は排除してもかまわないというロジックで物事を進めています。その一方で、自分が指名した閣僚については、『意見が異なっても容認することはある』と寛容に対応する旨を示してもいます。ある程度の柔軟性をもちながらも、やるべき政策は強力に推し進めていくでしょう」と、話している。

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