金正男氏が椅子でぐったり、目は「半開き」写真 襲撃後、歩いた後に毒が効き始めた 

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   金正男(キム・ジョンナム)氏(45)がマレーシア・クアラルンプールの空港で2017年2月13日に殺害された事件で、襲撃前後の様子をとらえた空港内の防犯カメラの映像が明らかになった。

   直接的な「襲撃」にかかった時間はわずか2秒程度。その後、正男氏は空港職員に助けを求め、比較的しっかりした足取りでクリニックに向かった。だが、直後にクリニック内で撮影されたとされる写真では、椅子にぐったりとした様子で座った正男氏の目は「半開き」で焦点は合っておらず、毒物が急速に作用して容態が急変したことがうかがえる。

  • フェイスブックに投稿されたシティ・アイシャ容疑者と見られる写真(左)と防犯カメラに映り込んだドアン・ティ・フォン容疑者(右、写真は地元メディアより)
    フェイスブックに投稿されたシティ・アイシャ容疑者と見られる写真(左)と防犯カメラに映り込んだドアン・ティ・フォン容疑者(右、写真は地元メディアより)

クリニックに移動する足取りはしっかりしていた

   日本で最初に映像が放送されたのは、2017年2月19日夜放送の情報番組「Mr.サンデー」。複数の防犯カメラに記録されたとみられる映像によると、正男氏が出発ロビーのカウンターに並ぼうとしていたところ、女が正男氏の前に回り込んで何かを話しかけようとした直後に、別の女が正男氏の後ろから回り込む形で、顔に何かを手でなすりつけた。女2人が犯行にかかった時間は、わずか2秒程度だった。

   この2人の女は、現地警察が2月15日から16日にかけて逮捕した、ベトナムのパスポートを持つドアン・ティ・フォン(29)、インドネシアのパスポートを持つシティ・アイシャ(25)の両容疑者だとみられる。

   その後、正男氏は空港職員に対して、身振り手振りで異常を訴え、職員に付き添われて出発フロアの下の階にあるクリニックに移動。移動中の足取りは比較的しっかりしていたが、クリニックの入り口では若干ふらついているようにも見えた。

   その後、その後正男氏は救急車で病院に搬送されたが、救急車の中で死亡が確認された。

   こうしたことから、正男氏に盛られた毒は、ある程度の時間をかけて死に至るような作用をもつものとみられる。

   クリニックの待合スペースで撮影された正男氏とされる写真の存在も明らかになった。現地英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」や「Mr.サンデー」が報じたもので、正男氏は椅子からずり落ちそうな体勢で、目は「半開き」で焦点は合っていない。血圧を計ったりしたのか、服ははだけ、右腕を前に突き出していた。撮影者や撮影時間などは明らかになっていない。

   マレーシア当局は、犯行には北朝鮮当局が関与していると見ている模様で、両国間の緊張が高まりそうだ。マレーシアの警察は2月17日、マレーシア在住の北朝鮮籍のリ・ジョンチョル容疑者(46)を逮捕したのに続いて、19日の会見では、リ容疑者以外にも北朝鮮国籍の男4人が事件にかかわったとして、その行方を捜査していると発表した。その後、現地メディアは、4人全員が既に北朝鮮に帰国していると報じている。

マレーシア外務省、北朝鮮大使の発言に「憤り」

   一方、駐マレーシアのカン・チョル北朝鮮大使は17日深夜(現地時間)正男氏の司法解剖が行われた病院の前で報道陣の取材に応じ、正男氏の司法解剖が終わったにもかかわらず、マレーシア側が遺体を北朝鮮側に引き渡さないことを

「強く非難する」

と述べ、

「我々はマレーシア側と北朝鮮に対する敵対勢力の行動に強く反応し、この件を国際法廷に提訴する」

と主張した。

   この発言に反発する形で、マレーシア外務省は2月20日にカン大使を呼び出した。ニュー・ストレーツ・タイムズ紙は、情報筋の話として、マレーシア側はカン大使の発言に憤っており、今回の件が殺人事件だということを理由に

「大使は我が国の刑事訴訟を尊重すべきだ。遺体引き渡しを要求できるのは正男氏の遺族だけだ。北朝鮮大使は遺体引き渡しを要求する前に、正男氏の遺族から同意書を取り付けるべきだ」

と主張したと伝えている。

   マレーシア外務省は、駐北朝鮮大使を「協議のため」に一時的に本国に呼び戻した。

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