任天堂、公道「マリオカート」に堪忍袋切れ ついに1社を損害賠償で訴え

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   任天堂は2017年2月24日、「マリオ」や「ルイージ」などの人気キャラクターの衣装を貸し出し、「公道カートレンタル」事業などを行う株式会社マリカー(東京都品川区)に対し、著作権侵害などに当たるとして損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

   「公道カート」は、東京都内を中心に全国で複数の企業がサービスを行っており、「リアル『マリオカート』が体験できる」「周囲からの注目が気持ちいい」「写真映えする」といった理由で、大学生や外国人観光客に人気のサービスだ。

  • サービス利用事例/マリカー社のHPより
    サービス利用事例/マリカー社のHPより

外国人観光客にも大人気

   このうち、マリカー社は、渋谷、秋葉原、富士河口湖、大阪、沖縄に6店舗を構え、普通免許で運転できる一人乗りの公道カートのレンタルや観光ツアーを手がける。

   同社のサービスの特徴は、100着以上用意してあるというゲームやアニメ、映画など人気キャラクターの衣装を着用し、まるでゲームの世界を再現したかのように街中を疾走できる点だ。その中でも、任天堂のゲーム「スーパーマリオ」に登場する「マリオ」と「ルイージ」のキャラクターの人気が高い。

   インスタグラムで「#マリオカート」と検索すると、37,859件ヒットし(24日夕時点)、10代から20代前半と思われる男女が、隊列を組んでカートを楽しむ姿が複数確認できる。「#mariocart」にいたっては、65,968件もヒット(同上)。外国人観光客が、東京タワーや渋谷のスクランブル交差点などの観光スポットを背景にカートに乗ってポーズを決める写真が数多く投稿されている。

   「公道カート」は、その目新しさからテレビや新聞などで「話題のサービス」として注目されていたが、一方で、その世界観が任天堂の人気ゲーム「マリオカート」そのもののため、権利をめぐり疑問視する声も少なくなかった。

任天堂「誠意ある対応が得られなかった」

   任天堂は、今回提訴に踏み切った理由として、マリカー社が(1)「マリオカート」の略称である「マリカー」を社名などで無断使用している、(2)公道カートを顧客にレンタルする際に、「マリオ」などの同社のキャラクターのコスチュームを貸し出した、(3)そのコスチュームが写った画像や映像を、宣伝・営業に利用していた――とし、これらが不正競争行為および著作権侵害行為に当たると主張する。

   任天堂の広報は24日夕、J-CASTニュースの取材に対し、今回の問題を認識したのは数か月前だとし、「先方には数回警告を送っていたが、誠意ある対応が得られなかった」ため、訴訟に踏み切ったという。国内において、同社が権利侵害で訴訟を起こすことは珍しいとも話す。

   J-CASTニュースは24日、マリカー社に取材し、今後の対応を聞いたが、20時現在、回答は無い。


(2月24日21時追記)

   24日21時、マリカー社広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対して次のように回答した。

本日、任天堂様の弊社に対する訴訟に関する報道を聞き、私共も大変驚いております。 弊社としてはこれまでも複数の専門家の方にアドバイスを頂きながら、外国のお客様に楽しい日本の観光を提供する為に努力してまいりました。 現在報道されている内容には私共が把握している事実と異なる部分が多く含まれており、当社から世間の皆様に説明する必要があると考えており、現在文章を準備しております。弊社より会社としてのご報告を可能な限り本日午後10時頃をめどに再度お知らせ致しますので、今しばらくお待ち下さい。

(2月24日22時30分再追記)

マリカー社「事実と異なる部分がある」

   24日22時、マリカー社は報道機関向けにコメントを発表した。以下、コメント(一部省略)

現状ではまだ訴状を受け取っていないので、法的な側⾯に関する具体的内容についての コメントができる状況にございませんが、私たちは、複数の弁護⼠・弁理⼠等の専⾨家に 相談をし、私たちのサービスが、任天堂様に対する不正競争⾏為及び著作権侵害⾏為には 該当しないと判断した上で、サービスを提供してきました。また、数か⽉前には、任天堂 の担当者様と協議及び情報交換も⾏い、私たちのサービスに理解を⽰す発⾔も得られてい ました。 公道カートレンタル事業者の中には、任天堂の許可無く勝⼿に模造された⾐装を販売、 レンタルしているなどの悪意のある業者もあり、任天堂様と協⼒してそのような事業者が なくなるように対応していこう協議した⽮先のことであり、⼤変困惑しております。 今回、既に任天堂さまの突然の提訴により、問い合わせへの対応や取引先への説明など で、私たちのサービス業務にも⼤きな影響が出ております。ホームページもパンクして閲 覧できなくなり、メールも受信できなくなり、電話回線もパンクしたことにより、お客様 で迷⼦になった⽅も発⽣しており、皆様への対応が遅くなったことを重ねてお詫び申し上 げます。 世界的企業との法的紛争となると、どの程度の負担がかかるのか想像することもできま せん。このままでは事業の継続に多⼤な影響が出ることを恐れております。 ⼀⽅で多くのお客様から応援の声も頂いており、専⾨家の皆様からも私たちを⽀援した いというお話も頂いております。 私たちのサービスは、お客様の笑顔のためにあります。 私たちは、このお客様の笑顔を守るために全⼒で頑張ります。 公道カート総合サービスを通じて、これからも皆様に楽しいひと時をお届けできるよう 努⼒してまいりますので、今後ともご愛顧のほどどうぞよろしくお願い致します。
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