民進党が大型連休に行われるイベント「ニコニコ超会議2017」に出展するゲームが、一時はツイッターの「トレンド」入りするほど話題になっている。その名も「VR蓮舫」。参加者が専用のゴーグルをつけて、首相の立場で蓮舫氏の追及を疑似体験するという趣向だ。ただ、まとめサイトではVR蓮舫を「税金で」開発したという誤解に基づくスレッドが立ち、「税金返せ」といった批判も相次いだため、前身の民主党のゆるキャラ「民主くん」がツイッターで「党員・サポーター費が原資です!」と火消しに追われる場面もあった。「蓮舫の追及をアナタは耐えられるか...」「VR蓮舫」は、「ニコニコ超会議」出展団体によるプレゼンレース「超-1グランプリ」にもエントリーされ、多くの目に止まることとなった。3月31日までネット上で投票が行われ、4月7日にニコニコ生放送で行われる「本戦」で優勝者が決まる。優勝者には、副賞としてニコニコ動画内の1000万円相当の広告枠が贈られる。「民主くん」は「超-1グランプリ」に併せ、2017年3月24日、ツイッターで「【VR蓮舫】に1日1回清き1票をお願いします!」「総理大臣になったアナタは蓮舫代表の追及(恐怖)に耐えられるか?!」とアピールしたのに続いて、27日には民進党のLINEアカウントでも告知が流れた。公開された「超-1グランプリ」に向けたプレゼン資料では、ゲームを「多くの大臣が味わった蓮舫の追及をアナタは耐えられるか...」「総理大臣として動揺を検知されながら国会審議VR体験!」「平常心を保ち総理大臣の職務を果たせ!」などとアピール。蓮舫氏の「一体、こんなところで遊んでいる暇がどこにあるというのか教えてください!」といった追及を受けながら、いかに心拍数が乱れずに平静を保てるかを競う。ツイッターでは「VR蓮舫(笑)」「VR蓮舫とかパワーワードすぎるでしょ」といった反響が広がり、3月27日には一時「トレンド」入りした。ただ、この話題の広がりには「炎上」の側面もあるようだ。まとめサイトには「民進党が税金で『VR蓮舫』の開発に成功」というタイトルの記事が掲載され、「ムダ遣い過ぎるので税金を返してほしい」「税金返せ」「ブーメランで自滅して終了だろ」といった批判も続出。このため、民主くんはツイッターで「VR蓮舫の費用は、税金を原資として使いません。党員・サポーター費が原資です!」と「火消し」に追われる一幕もあった。真面目な政策PRだと若者に見向きもされない「VR蓮舫」の思わぬ話題沸騰に、ゆるキャラなど若者向けのPRを担当している大西健介衆院議員(党青年局長)は3月28日、「批判を覚悟で蓮舫代表を説き伏せ、私の責任で導入を決断しました」とコメントを出した。大西氏の説明によると、旧民主党は2012年からニコニコ超会議に出展しているが、15年までは「真面目な政策PRを中心にブース運営を行ったため、民主党ブースは、若者に見向きもされない状態」だった。だが、16年は方針を変えてニコニコ超会議に参加したことのある若者へのアンケートをもとに、地下アイドルの「仮面女子」を登場させる企画をしたところ、「2億5000万円相当の広告換算(メディア・ネット拡散)効果を得て、最大約1時間待ちの行列ができるほど若者が集まり、自民党など他党をはるかに凌駕」したという。一方、大西氏は、今回の取り組みについて「不快を示す方もいらっしゃいます」とも認め、「そのような方に対しては、政党としての主要業務である政策提言・立案で応えていくべきだと思います」と説明している。
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