2019年 1月 20日 (日)

高齢者が「低栄養」で命の危険に 粗食の美徳があるのは過去のこと

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   「肉を食べるようにしてください」。健康診断や診察で医者のもとを訪れる高齢者らがこうアドバイスされることが増えているという。飽食が当たり前の現代、高齢者らは肉類などを避けた粗食こそが健康的で美徳と考えがち。それが高じて低栄養となり実は危険な状態の高齢者が多くなっているという。

    高齢者の低栄養状態は、死亡危険度の増大や認知機能低下リスクなどを招く原因にもなるという。

  • 黒柳徹子さんら、いつまでも元気に活動を続けられるパワーの素は「肉」だと口をそろえる
    黒柳徹子さんら、いつまでも元気に活動を続けられるパワーの素は「肉」だと口をそろえる

黒柳徹子さん、三浦雄一郎さんは「肉食パワー」

   元気に活動を続けている高齢な著名人らの、そのパワーの素として「肉食」が語られることが多い。タレントの黒柳徹子さん(83)は、毎日肉を食べていることがテレビでみせるパワフルなトークの素という。

   映画やドラマ、特撮、アニメなどの音楽で知られ、16年に「卒寿記念コンサート」を行った作曲家、渡辺宙明さん(91)は「肉を食べる、たまごを食べる」ことを健康法にしている。80歳のときに世界最高峰のエベレスト登頂に成功した登山家の三浦雄一郎さん(84)は、週に1、2回300グラムほどの、月1回は1.5キロのステーキを食べるという。

   日本初の女性報道写真家、笹本恒子さん(103)は100歳を迎える時に健康の秘訣を聞かれ「毎日早起きして体操することと、好きなワインとお肉を食べること」と答えた。

   芸能や創作、冒険など、摂取したエネルギーを投じる活動があるこれらの人たちと違い、一般の人たちは、それらを貯めこんでしまい健康を害するのではと恐れてしまう。さらに、肥満やメタボリックシンドロームの問題などから、それらを避ける健康法として「粗食」が推奨されたりもするから、ますます肉を食べる機会が少なくなる。そして、気が付かぬまま低栄養の状態になってしまうのだ。

低栄養群の死亡危険度2.5倍 認知機能も低下しやすく

   厚生労働省の「平成27年(2015年)国民健康・栄養調査」によると、高齢者の低栄養化傾向(BMI20以下)は、高齢になるほど強まり、75-79歳で16%にとどまるものの、80-84歳で20.2%、85歳以上で29.1%だった。

   「50歳を過ぎたら『粗食』はやめなさい!『低栄養』が老化を早める」などの著書がある、東京都健康長寿医療センター研究所の新開省二さんはこれまで、さまざまな場で高齢者の低栄養の危険性を指摘している。

   「一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会 はっ酵乳、乳酸菌飲料公正取引協議会」のウェブサイトで「健康長寿と栄養摂取」をテーマに、新開さんは「低栄養状態が、どのような死因に結びついていたかを調べると、心筋梗塞や狭心症など心血管病による死亡の危険度を増大することがわかりました。高栄養群の死亡の危険度を1とすると、低栄養群では心血管病による死亡の危険度が2.5倍になっていました」と述べている。また、低栄養の高齢者ほど、認知機能が低下しやすいこともわかったという。

   高齢者の「低栄養」に警鐘を鳴らし、肉食をすすめる書籍も多く出されている。精神科医、評論家の和田秀樹さんは著書の「『がまん』するから老化する」で「がまん型の生活をしていると食事も質素になりがちだ。食事に興味を失い、ないがしろにしていると肉体的にも精神的にも人間を老化させてしまう。真面目すぎる日本人の場合、空腹、痛みから性欲までがまんは美徳であり、年相応に健康的と思われているようだが、これは迷信と言っていい。節制と食事をおろそかにすることは違う」と述べている。

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