2019年 7月 17日 (水)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち 
ウォール街の「少女像」が巻き起こした議論

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「ニューヨークに行ったら、まず『Fearless Girl(恐れを知らぬ少女)』と写真を撮るの」

   初めてニューヨークを訪れるアメリカ中西部ウィスコンシン州に住む友人が、ここでまず一緒に写真を撮りたいのが、2017年3月に忽然とウォール街に現れた「Fearless Girl(恐れを知らぬ少女)」のブロンズ像だという。

  • 「恐れを知らぬ少女像」の前で記念撮影をするために群がる人たち
    「恐れを知らぬ少女像」の前で記念撮影をするために群がる人たち

「雄牛像」をしのぐ人気スポットに

   市内の像で「Statue of Liberty(自由の女神)」の次に有名なのが、ウォール街のシンボル「Charging Bull(チャージング・ブル、突進する雄牛)」のブロンズ像だ。少女のブロンズ像は、その雄牛像の前で、両手を腰に当て、胸を突き出し、勇敢に立ちはだかっているように見える。髪はポニーテールで、スカートをはいている。

   この少女像は、「International Women's Day(国際女性デー、2017年3月8日)に合わせてその前日に、資産運用会社「State Street Global Advisors(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ)」が市の許可を得て設置した。彫刻家のクリステン・ヴィスバルさんが製作した高さ127センチの少女像は、ビジネスにおける男女の賃金格差を是正し、女性幹部の登用を企業に促すのが目的だ。

   トランプ大統領の女性に対する侮蔑的な発言などが批判されるなか、女性の権利、女性の不屈の精神と強さのシンボルとして、少女像は人気を集めた。各国のメディアやSNSに取り上げられ、たちまち観光名所になった。今でも毎日、市民や観光客が早朝から駆けつける。少女像の隣で同じポーズを取り、写真に納まっているのは、圧倒的に女性だ。

   私は雄牛像とともに少女像の写真を撮りたかったが、少女像に群がる人たちで、雄牛像が隠れてしまう。主役のはずの雄牛像は皆に背を向けられ、寂しげだ。

   ミネソタ州ミネアポリスから家族で観光に訪れたステイシーさん(43)は、「少女像はずっとここにあってほしい。私の会社でも、女性の幹部は全体の23%だけよ」と言う。

   アメリカでは、フルタイムで働く女性の年収は、男性の約80%といわれる。

   少女像の設置許可期間は、もともと1週間だったが、4月2日まで延長されることになった。撤去反対の声が高まり、設置を続けるための署名運動が起こった。その結果、ニューヨーク市は来年2月まで延長することにしたという。恒久的な設置に向けて、さらに運動が続けられている。

   トランプ氏の政策を公に批判しているビル・デブラシオ市長は、「少女像は女性のリーダシップについて活発な議論を生んだ。ニューヨーク市民にとって大きな意味を持つ」と述べている。

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