2024年 4月 28日 (日)

イチロー、大リーグ3千本安打を実現できた秘策 プロ25年目での挑戦を告白

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   米大リーグ・マーリンズのイチロー外野手(43)がメジャー17年目のシーズンに突入する。

   昨年は日米通算安打数4257本の金字塔を打ち立て、ピート・ローズの持つ大リーグの歴代最多通算安打記録を塗り替え大リーグ通算3000本安打も達成した。

   だがイチローは2015年、極度の不振に苦しんでいた。17年4月1、2日放送のスポーツ番組「S☆1」(TBS系)の独占インタビューで、当時の復活への「打撃改造」を披露した。

  • 天才打者の「3000本」達成には苦悩があった(画像はMLBの公式サイトより)
    天才打者の「3000本」達成には苦悩があった(画像はMLBの公式サイトより)
  • イチローと真逆の考えだった(写真は2017年1月8日撮影)
    イチローと真逆の考えだった(写真は2017年1月8日撮影)
  • 天才打者の「3000本」達成には苦悩があった(画像はMLBの公式サイトより)
  • イチローと真逆の考えだった(写真は2017年1月8日撮影)

突然の「不振」にイチローは...

   イチローは13年8月に日米通算4000本安打を達成した際、記者会見で

「4000本のヒットを打つために、8000回以上の悔しい思いをしてきている」

と述べている。凡打を打つたびに試行錯誤を繰り返し、その都度微妙な軌道修正を重ねてきた。

   そんなイチローが突然、不振から抜け出せなくなったのがマーリンズへ移籍した15年度シーズン。イチローはパワータイプの投手が投げる高めの真っ直ぐに苦しめられた。150キロ以上のボールに対する打率は、2割2分6厘。シーズン全体の打率も2割2分9厘と落ちぶれた。さすがのイチローも、この時ばかりは「色んなことやっても、答え出なくて、ダメなことは分かっているけど、その修正の仕方が全然分からなかった」。

   だがイチローは翌16年、開幕から破竹の勢いでヒットを量産した。日米通算安打数4257本と大リーグ通算3000本安打を達成したばかりか、150キロ以上のボールに対する打率は3割6分に大幅アップ。シーズン全体の打率も2割9分1厘と「V字回復」した。

   この間、イチローは何をしたのか。なぜ、不振から脱出できたのか。16年のシーズン終了後、番組は本人にその理由を聞いた。

「これまでぼく、『手を出さない、手は最後』だと。今ももちろんそうなんですけど。でも、ちょっと手が早く出るような状態を作ってみようと思って」

イチローは50歳まで現役を続ける

   天才打者が生き残るために選んだのは、自身の打撃理論「グリップを最後まで出さないテクニック」から距離を置くことだった。手を早く出すことで、ボールを捉えるまでの時間を短縮でき、外国人投手の速球にも反応できるようになった。

   だが、それまでの「手を出さない」との整合性はどうなったのだろうか。イチローは

「(手が)出るんです。出るんですけど、最後なんですよ。手を出そうとしたって残っているんです」

とうれしそうに語った。まるで野球を覚えたばかりの少年のようなまなざしで。

「(プロ生活)25年で、こんなことあるんだなって。新しかったですね」

   調子があがってきた16年7月、イチローはインタビューで、打席に立つと必ず「1番遅い球を待って、速い球に反応する」よう心がけていると話した。遅い球とは変化球、速い球は直球のこと。イチローは常に、相手投手がいつカーブやスライダーなどを投げても反応できるような体勢で、150キロ台の真っ直ぐに反応する。真っ直ぐのタイミングで打ちに行くと、体より先に手が出てしまい、アウトになる確率が高まるからだ。

   番組はこの点を、日本球界のシーズン最多安打記録保持者・秋山翔吾外野手(西武)にも聞いた。秋山は「基本的には、『速いボールから変化球対応』が理想かなって思います。変化球を待っていたら、変化球しか手が出せない」と、イチローとは逆の打撃論を話し、「(イチローが)間に合うのがすごい」と驚いた様子。イチローは以前から「グリップを最後まで出さないテクニック」を意識し、ボールをぎりぎりまで引き付けて打つ姿勢が、天才打者の打撃を築き上げていたのだった。

   イチローは常々、50歳まで現役を続けるのが目標だと明言している。大リーグの公式サイトによると、先日も地元紙「マイアミ・ヘラルド」に「この話をする時は、ジョークで言っているわけではありません」と語ったばかり。番組のインタビューでも、自身の年齢を不安視する声を一蹴した。

「走ったら(大リーグで)ほぼ1番速くて、投げてもそうだろうし...打つことだけ、年齢のせいになるかなあって...これから僕の絶頂期が来るってどうして考えられないんだろう」
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