中国政府の意向を忖度か 共産党系メディアが対北朝鮮「強硬論」

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   米国のトランプ大統領が北朝鮮への対応について「中国がやらないなら、米国がやる」などとツイッターで突き放す中、中国メディアからも北朝鮮への強硬論が出始めた。

   北朝鮮への対応で米中間の一致点が増えている上、これ以上北朝鮮がミサイル発射や核実験といった「挑発行為」を強行した場合、北朝鮮への石油輸出制限に賛成すべき、という内容だ。こういった北朝鮮にとって厳しい論調は、中国政府の公式見解ではない。だが、これらは「中国政府の意向を忖度して書いた」との声もあがる。仮にそうであれば、今後、中国政府が北朝鮮への圧力を強める可能性もありそうだ。

  • 中国は北朝鮮にどう対応するのか
    中国は北朝鮮にどう対応するのか

「中国政府による制裁強化を支持する中国人が日に日に増えている」

   常に日本に批判的な論調で知られる中国共産党系の環球時報が、連日のように北朝鮮にも厳しい視線を向けている。2017年4月12日付の社説では、

「おそらく中国政府は、北朝鮮の新たな核をめぐる動きに強く反応するだろう。北朝鮮が安保理決議にさらに違反することに、中国はもはや無関心ではなくなるだろう。北朝鮮政府の核開発をめぐっては、中国政府による制裁強化を支持する中国人が日に日に増えている」

   などと解説。中国側は政府・国民ともに北朝鮮に対する反感を強めているようだ。その上で、北朝鮮が姿勢を変えない場合に中国側が取り得る強攻策についても、次のように言及した。

「北朝鮮が4月中にさらなる挑発行為を行えば、中国社会は国連安保理が、北朝鮮への石油の輸出制限といった、これまでにないような制裁措置を採択することを望むだろう。北朝鮮の核兵器開発プログラムは体制維持を意図したものだが、臨界点を迎えつつある。北朝鮮政府は賭けがうまくいくことを望んでいるが、あらゆる兆候が逆方向を示している」

   北朝鮮にとっては、石油の輸入が制限されれば死活問題だ。こういった制裁措置について、中国は安保理で棄権または賛成すべきだと主張したわけだ。

中国外相「事態が後戻りできない段階にならないように」

   翌13日付の社説では、

「朝鮮半島の非核化は中国の確固とした立場で、中国政府は北朝鮮政府が核活動を続けることを容認できない。この点において、米中間の一致点(コンセンサス)は、ますます拡大している」

と指摘。北朝鮮への強硬姿勢で米中の歩調がそろいつつあることを指摘した。その上で、中国が北朝鮮の政府や体制の維持を保証する代わりに北朝鮮が核を放棄するのが

「北朝鮮政府にとって最も良い選択だ」

   だとした。

   もっとも、こういった論調は中国政府の公式見解ではない。王毅外相は4月14日、

「声明でも実際の行動でも、互いを刺激したり脅威を与えたりすることを控え、事態が後戻りできない段階にならないように求めたい」

と述べ、米国と北朝鮮の双方に自制を求めた。王氏は北朝鮮を直接批判するのは避けた形で、環球時報の論調とは温度差がある。ただ、ある北京在住のジャーナリストは、

「(社説は)中国政府の意向を忖度して書いたものだと思います」

とも指摘している。

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