競争激化は必至 「生鮮」参入アマゾンの勝算

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   アマゾンジャパンは2017年4月21日、生鮮食品を中心にネット販売する新サービス「アマゾンフレッシュ」を始めた。ネットスーパーはイオンやイトーヨーカドーなど既存の小売り業者も力を入れており、競争激化は必至だ。配送料を含めた料金は決して安いといえないだけに、アマゾンが独自のサービスを武器に勢力を拡大できるのか、注目が集まる。

   「フレッシュ」では野菜、果物、鮮魚、精肉、乳製品など1万7000点以上を扱う。ほかの日用雑貨も含めると、ざっと10万点以上の商品が購入可能だ。川崎市に大規模物流センターを設置、まずは東京都港、千代田、中央、江東、墨田、江戸川の6区域(一部エリアを除く)を対象にする。ヤマト運輸には頼らず自社で配送網を整備し、注文から最短4時間で届ける体制を整えたという。

  • アマゾンが生鮮食品を届けるようになった(画像はイメージ)
    アマゾンが生鮮食品を届けるようになった(画像はイメージ)

イオンなどのネットスーパーと比べると...

   気になるのは価格だ。肉や野菜などの生鮮食品は、生産方法や生産地が異なるため単純比較はできない。そこで、大手食品メーカーの加工品の一部を、4月27日午後時点でイオン、ヨーカドー、西友3社のネットスーパーと比べてみた(3社は江東区の場合)。

   例えば明治「ブルガリアのむヨーグルト」(900グラム)は、「フレッシュ」が203円に対し、3社が213~246円で「フレッシュ」が最も安い。日本ハムのウインナー「シャウエッセン」(127グラム×2)は389円に対し、3社は386~513円。タカノフーズの「おかめ納豆極小粒ミニ3連」は79円で、3社は59~84円だった。激安というほどではないが、全体的には安い部類に入りそうだ。

   だが、商品以外にも利用料金がかかる。まずは年会費3900円のアマゾン「プライム会員」への入会が必須だ。さらに月500円の利用料、1回の注文ごとに500円の配送料(1回6000円未満の場合)が必要だ。3社の場合、商品以外にかかるのは「配送料1回324円のみ」という場合が多いので、配送料や利用料を含めた総額を考えると、「フレッシュ」が安いとは限らない。毎日のチラシを見ながら、1円でも安いスーパーで買い物をするタイプの人には向かないかもしれない。

海外ではすでに10年のノウハウ

   一方、少々高くても「ブランド食品」を手にしたい人には、ありがたい存在だろう。人形町今半の肉、モンシェールの堂島ロール、オイシックスの有機野菜なども扱っている。そもそも、プライム会員は、通常の利用で追加料金なしに「お急ぎ便」が何度も使えるし、インターネットを通じて映画や音楽が見放題、聴き放題といったサービスも受けられる。アマゾンのヘビーユーザーにとっては、「フレッシュ」も高い買い物ではないのかもしれない。

   アマゾンは今後、順次「フレッシュ」の対象エリアを拡大する予定。期間限定のキャンペーンなどを実施し、少しでも利用者を増やしたい考えだ。海外では米国で2007年から、英国では2016年夏から「フレッシュ」のサービスを実施している。すでに10年のノウハウがあるわけだが、果たして日本で通用するか。

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