日産の「英知を結集」 NISMO強化の狙いとは

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   日産自動車が高性能スポーツカーブランドである「NISMO(ニスモ)」を冠したロードカーをグローバルに展開し、事業として拡大する方針を打ち出し、注目されている。年間販売台数を現行の1万5000台から2020年代前半には10万台を超えるレベルに増やすという。日産は、NISMOブランドを活用することで「ニッサンブランドのワクワク感と革新性を一層高めたい」としており、「走り屋」を魅了するどんなロードカーが登場するか注目される。

   NISMOは1984年に誕生した子会社「ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル」の愛称で、日産のワークスチームとして、ル・マン24時間などの耐久レースやツーリングカーレースを中心に活動してきた。全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権では1992年、前人未到の全6戦全勝を果たすなど、輝かしい戦績を上げている。

  • グローバル展開を進める日産自動車(日産公式ホームページより)
    グローバル展開を進める日産自動車(日産公式ホームページより)

多くのタイトルを獲得

   今回の新方針は2017年4月25日に発表された。NISMOは、全日本ツーリングカー選手権の終了を受け、1994年から始まった全日本GT選手権/SUPER GTではGT-RやフェアレディZが多くのタイトルを獲得。モータースポーツ参戦を通して得たノウハウを専用パーツや市販車(ロードカー)のチューニングにフィードバックしている。トヨタのスポーツカーブランド、TOYOTA GAZOO RacingやSUBARU(スバル)のSTIに相当する存在で、クルマ好きには一目置かれるブランドだ。

   NISMOが開発するロードカーについて、日産は「モータースポーツ活動から得られた多くの知見を、その運動性能やスタイリングに具現化し、より多くのお客さまにそのダイナミックでスポーティな走行をお楽しみ頂けるように、信頼性や耐久性を日産純正品質で保証したファクトリーカスタムカーだ」と説明している。

   現在、日本国内で発売している「NISMOロードカー」は、日産GT-R 、フェアレディZ、ジューク、ノート、マーチの5車種。世界ではセントラ、パトロールを合わせた7車種となる。マーチNISMO Sの場合、(1)低速トルクを重視した専用開発エンジン、(2)5速マニュアルミッション、(3)専用サスペンション、(4)クイックステアリング、(5)専用スポーツシート――などを採用しており、そのままジムカーナなどのモータースポーツに参戦することも可能だ。

さらなるグローバル展開を目指す

   今回、日産は「NISMOロードカー」のラインアップを拡充するため、日産グループの特装車両を手掛けるオーテックジャパン内にNISMO専用の「ニスモ・カーズ事業部」を設立した。同事業部には日産、オーテックジャパン、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(NISMO)のほか、日産グループの人財を結集し、「従来以上に魅力的な商品をスピーディに開発することを目指す」という。

   NISMOブランドのロードカーの投入も、従来の日本、北米、欧州、中近東だけでなく、ラインアップを増やすことで、さらなるグローバル展開を目指すという。

   オーテックジャパンとニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの社長兼最高経営責任者を務める片桐隆夫氏は「NISMOは日産自動車のコアバリューをさらに高めるサブ・ブランドであり、日産グループの英知を結集して取り組むことで、今まで以上にお客さまに日産車を楽しんでいただけると確信している」と語っている。

   どうやら日産は本気らしい。今後は日産の販売店やショールームにNISMOロードカーを積極的に展示するほか、購入したユーザーに入門用のモータースポーツなど「走り」を楽しむ機会も提供するという。一連の試みは、クルマ離れといわれる若者にクルマの魅力や走りの楽しさを知ってもらうのが狙いだ。今後の日産の取り組みしだいでは、トヨタやスバルなどモータースポーツに力を入れるライバルの動向にも影響を与えそうだ。

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