「私 日本人でよかった」と書かれたポスターが「京都のあっちこっちにあった」――。ツイッターで2017年4月末、こんな書き込みが投稿され、「京都限定なんかな?」という声がネット上に相次いでいたが、「『私日本人でよかった』のモデルの人は、日本人ではなかった」というツイートが5月9日に拡散し、事態は進展した。J-CASTニュースが、ポスターを制作した宗教団体「神社本庁」に取材すると、担当者は「モデル」の国籍について把握していないと回答した。神社本庁が制作「神社本庁」は1946年に設立され、伊勢神宮を「本宗」と仰いで全国約8万社の神社を包括している。今回の「私 日本人でよかった」のポスターはどうしてできたのか。神社本庁の広報担当者は2017年5月9日、J-CASTニュースの取材に対し、2011年から「祝日の意義を啓発し、国旗掲揚を推進する」ため制作したと明かした。全国各地の神社からポスターの配布を依頼されればその都度応じており、話題になった京都でのポスターも同じとみられる。冒頭の写真はツイッターで、5月2日にアップされた。ところが、投稿者は9日、ツイッターに「なんと、『私日本人でよかった』のモデルの人は、日本人ではなかった」と書き加えている。オンラインで画像や動画などを提供するサービス「ゲッティ・イメージ」(本社:アメリカ・ワシントン)で、女性と瓜二つの写真が見つかり、その「キーワード」欄に「中国人」「東アジア」「東洋民族」などとあったのだ。写真は中国・北京で制作され、撮影者は「LaneOatey」さんだった。LaneOateyさんが何者か、はっきりとは分からない。ただ、記者がグーグルで「LaneOatey」と検索すると、「Director&PhotographerofBest-SellingLifestyleStockPhotographyBrandinChina」と自己紹介する同性同名のツイッターアカウントが発見された。J-CASTニュースが女性の国籍について、神社本庁に話を聞くと、担当者は把握していないと答えた。デザインは、制作会社に一任していたといい、当時ポスターに携わっていた担当者がもう所属しておらず、記録等も残っていないため、詳しいことは分からないという。神社本庁はなぜ「私 日本人でよかった」という文言にしたのか。記者が問い直すと、担当者は「ポスターのデザインは、『祝日の意義を啓発し、国旗掲揚を推進する』ための、あくまでイメージです」と強調するのみだった。
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