2020年 1月 28日 (火)

「雑種フグ」が食卓を脅かす 毒がどこにあるか分からない

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   高級魚の天然フグが食べられなくなる、そんな日が将来本当にやって来るかもしれない。

   食用の「ゴマフグ」と「ショウサイフグ」の交雑種が、太平洋沖で増加していることが、水産研究・教育機構水産大学校(山口県下関市)の高橋洋准教授の研究で明らかになった。交雑種の場合、「親」にあたるゴマフグやショウサイフグと同じ場所に毒があるとは言い切れない。今後さらにこうした雑種が増えて、ゴマフグやショウサイフグが絶滅する最悪のシナリオも考えられる。

  • ショウサイフグ、ゴマフグ、そして「種類不明フグ」の比較(発表資料より抜粋)
    ショウサイフグ、ゴマフグ、そして「種類不明フグ」の比較(発表資料より抜粋)

地球温暖化で分布域が変化か

   水産研究・教育機構が2017年5月24日に発表した資料によると、高橋准教授は2012~14年にかけて岩手、福島、茨城県の太平洋沖で水揚げした252匹のフグの遺伝子を調べた。その結果、ゴマフグとショウサイフグの雑種149匹を確認したという。このうち「雑種第一世代」は131匹、残りは雑種第一世代と純粋なゴマフグ、またはショウサイフグと再度交雑したものだった。雑種同士による「第二世代」は見つからなかった。

   ゴマフグは本来、日本海が生息域のため、太平洋沖でショウサイフグとの雑種が見つかるはずはない。だが、発表資料では「近年、地球温暖化などの海洋環境の急激な変化により、海産魚の分布域の変化やそれに伴う種間交雑の進行が世界各地で報告」されていると指摘した。ゴマフグが日本海を北上し、津軽海峡を越えて太平洋側に入り、ショウサイフグとの雑種が生まれた可能性がある。

   フグは毒が最も心配なのは、言うまでもない。ゴマフグとショウサイフグは、筋肉と精巣(白子)はいずれも食用だが、皮は危険だ。高橋准教授は、5月29日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、雑種は「親」と同じ場所に毒があるとは限らず、毒がどこにあるか分からないと説明した。

   しかも、雑種の見分け方は簡単ではない。ゴマフグは背と腹にトゲがあり、尻ビレが鮮やかな黄色なのに対して、ショウサイフグは背と腹がツルツル、尻ビレは白っぽい。ところが雑種は、両方の特徴を備えていたり、どちらか一方に似ていたりとさまざまだ。番組で紹介されたフグを扱う水産加工業者は、長年の経験と熟練技で手際よくフグを選別しながら、少しでも怪しいというものは絶対に流通させないとした。市場に出回る確率は極めてゼロに近いという。

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