フェイクニュース共同検証FIJが発足 ファクトチェック「検閲や排除ではない」

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   トランプ米大統領の発言に代表されるフェイクニュース(偽ニュース)をめぐって注目が集まる中、政治家の発言やニュース報道の内容について事実関係を検証する「ファクトチェック」を共同で進めようという団体が2017年6月21日に発足した。

   「スマートニュース」社の藤村厚夫・執行役員らメディア・大学関係者7人が同日、記者会見して発表した「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」で、任意団体としてスタートし、ファクトチェックの活動を充実させながら法人化を目指す。

  • 「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」の立ち上げ会見が行われた
    「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」の立ち上げ会見が行われた
  • 「スマートニュース」社の藤村厚夫・執行役員ら7人が発起人として会見した
    「スマートニュース」社の藤村厚夫・執行役員ら7人が発起人として会見した

「マクロン氏は海外に口座を開設した」報道、9社「でっち上げ」判定

   ファクトチェックをめぐっては、例えばフェイスブックの英語版などでは、ニュース記事などを第三者が検証し、その信ぴょう性に疑いがある場合、「〇〇ニュースと●●通信が疑義を表明」といった警告が出る仕組みがすでに実装されている。それ以外にも、17年1月にグーグルなどが立ち上げたウェブサイト「クロスチェック」に通信社やラジオ局などが「ファクトチェッカー」(事実関係を検証する人)として参加。フランス大統領選をめぐるニュースを対象に、事実関係を検証した。例えば

「マクロン氏は海外に口座を開設した」

   という「ニュース」がネット上に流れ、「クロスチェック」参加社が事実関係を検証。AFP通信やバズフィード・ニュースなど9社が「でっち上げ」だと判断し、「クロスチェック」としても「ウソ」だと結論づけた。

「検証された情報」拡散させる必要性

   こういった取り組みが日本では進んでおらず、藤村氏は記者会見で

「偽情報は大変足が速く、広範囲に届く割に、検証された情報は、決してその規模において、あるいはスピードにおいて、偽情報に勝る力を持ちえなかったという大きな課題がある」

   などとして、「検証された情報」を拡散させる必要性を強調した。

   FIJは(1)ファクトチェックのガイドラインや評価手法を検討し、方法論を標準化する(2)ファクトチェックの対象となる「情報」である報道やSNSの投稿などの収集の効率化など、日本におけるファクトチェッカーの支援を行う(3)国際的なファクトチェックフォーラムに参加し、セミナーを開いて成果を共有する、などを軸に活動する、としている。

FIJが自分でファクトチェックを行うのではない

   FIJによると、FIJ自身が「ファクトチェック」を行うのではなく、あくまでファクトチェックを行う「ファクトチェッカー」をFIJが支援する仕組み。発起人のひとりでもある弁護士の楊井人文氏らが運営する誤報検証サイト「GoHoo」なども「ファクトチェッカー」として参加する。既存のメディアにも参加を呼び掛けていく。

   発起人には、ほかに、軍事アナリストとして知られる小川和久・静岡県立大学特任教授や、元毎日新聞記者の瀬川至朗・早稲田大学政経学術院教授らがいる。

   スマートニュースは、フェイクニュースが疑われる情報のデータベースを作成。自然言語処理や人工知能、知識情報処理が専門の東北大学の乾・岡崎研究室と連携し、検証作業の効率化を目指す。楊井氏は、

「ファクトチェックも言論の枠内で行われるものであり、特定の言説・情報に対する検閲や排除を志向するものであってはならない。ファクトチェックに基づく言説自体が、他者からの再検証や批判に堪えるものでなければならないのは当然」
「人々が正確な事実認識を共有できるよう、判断材料を提供したい」

   などと話している。

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