菅長官、翁長知事に「極めて残念」 辺野古移設を再び法廷で争う沖縄

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   米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事について、沖縄県議会が2017年7月14日、政府を相手に工事差し止め訴訟を起こすとする議案を本会議で可決した。これを受け、菅義偉官房長官は同日午後の会見で「極めて残念」と不快感を示した。

   辺野古への移設問題をめぐっては、翁長雄志知事による工事承認取り消しは違法だとする判決が16年12月に最高裁で確定している。これに加えて政府と県は、16年3月に「確定判決の趣旨に従って誠実に対応する」ことを盛り込んだ「和解条項」を合意していた。

  • 会見する菅義偉官房長官
    会見する菅義偉官房長官

「法令にもとづいて工事は着実に適切に進めていきたい」

   辺野古移設工事は、仲井真弘多・前知事が沿岸部の埋め立てを承認していたものの、現在の翁長知事が15年に承認を取り消した。そこで政府が翁長知事の対応について訴訟を起こしたところ、16年12月に「承認取り消しは違法」との最高裁判決が確定。翁長知事は「確定判決には従う」と述べ、自身の「承認取り消し」処分を取り消した。

   政府は工事を再開し、17年4月には埋め立てのため護岸工事に入ったが、県は知事権限の「岩礁破砕許可」がおりていないことを理由に問題視。漁業権が設定された海域での工事には同許可が必要だが、政府への許可は3月末に期限を迎えた。一方、政府は地元の漁協が漁業権を放棄したのを主な根拠に、4月に入って許可を更新しなかった。

   こうした状況から、県議会は工事差し止めに加え、判決まで工事を止める仮処分も求める訴訟提起を可決するに至った。翁長知事は週明けにも那覇地裁に提訴する方針とされている。

   菅氏は14日の会見で「現段階で提訴されていないため政府としてのコメントは控えたい」としつつ、沖縄側の対応には次のように発言した。

「確定判決、和解条項の合意があるにもかかわらず、翁長知事が再び訴訟提起する方針であるということは極めて残念だと思う。我が国は法治国家であるから、最高裁判決や和解の趣旨に従い、国と県で相互に協力して誠実に対応し、辺野古における埋め立て工事を進めていくことが求められると認識している」

   また、「必要な法令上の手続きについて、漁業を所管する水産庁に確認した上で、法令にもとづいて工事は着実に適切に進めていきたい」との方針を示し、「政府と米国との約束として、辺野古移設工事が完成し、米国側の運用が開始される段階で、普天間飛行場の返還が実現されるよう取り組む。これを果たすのは政府の責務だと思う」と述べた。

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