AR(拡張現実)技術を使ったスマートフォン(スマホ)向けゲーム「ポケモンGO」が、2017年7月22日、日本国内でのサービス開始から1周年を迎えた。リリース直後は多くの人が街へ繰り出し、様々な場所で混雑が発生するなど、社会現象にまで発展した。1年が経ち開始直後の盛り上がりは沈静化したものの、現在もスマホゲームとしてはトップクラスのユーザー数を抱えていることが、市場調査会社「ヴァリューズ」の調査により明らかになった。40代以上48%、ユーザーの高齢化進むヴァリューズが2017年7月14日に公表した調査結果によると、ポケモンGOを現在もプレーしている人数を示すアクティブユーザー数は、アンドロイド搭載スマホのみで442万人だった。ゲームカテゴリー内では2位にランクインし、3位の「LINEポコポコ」(221万人)を大きく引き離した。1位は「LINE:ディズニーツムツム」の642万人。サービス開始直後のアクティブユーザー数は1100万人で、そこから6割減少しているものの、高い人気を維持している。また、ユーザー推移をみると、若年層が減少し、40代以上の中高年の定着率が高いことが分かった。16年7月には全体の37%を占めていた20代のユーザーは、17年6月には29%まで減少する一方、40代以上の割合は着実に増加し、48%を占めている。こうした状況を反映してか、17年6月にはインターネットの掲示板で「50歳以上が集うポケモンGO大集合」というスレッドが立ち上がり、攻略情報以外にも、「老眼で画面見え辛いんだけどおまいらどうしてる?」「三つ指ダブルクリックでそのまま上にスライドで拡大、下げると縮小して倍率確定したら以後三つ指ダブルクリックでその縮尺で拡大します」と、幅広い内容がやり取りされている。「伝説のポケモン」が出現するようになるサービス開始1周年企画の一環として、ポケモンGOを運営する米ナイアンテックは、ゲームには登場していなかった「伝説のポケモン」と呼ばれる特別なポケモンの実装を17年7月20日、発表した。「ミュウツー」などの伝説のポケモンは「ポケットモンスター」作中では特別視され、映画でも重要な役割を持つこともあり、ファンからの人気が高い。サービス開始直後には、実装されていないにも関わらず、SNSや攻略サイトでは発見報告がされることもあった。ナイアンテックは伝説のポケモンのお披露目を、米国時間7月22日、シカゴの「PokemonGOFest」の会場内で行うとアナウンスしている。会場内のトレーナーがレイドバトル(大人数が参加する戦闘)を制することで、その後は世界中で「伝説のポケモン」が出現するようになる。ポケモンGOの目玉とも言えるコンテンツ導入に、ツイッターでは「これを機にまた始めようかな」「ポケモンGOに伝説のポケモンが出るようになると聞き再ダウンロード」「ポケモンGO遂に明日から伝説のポケモンが出ると聞いてやる気上がりまくってる」と再開を考えるユーザーも現れ、現役ユーザーからも高い期待が集まっている。その一方で、伝説のポケモンの導入を「遅い」と感じるユーザーも多かった。また、大人数のトレーナーとの協力プレーが前提と言うこともあり、都市部以外のユーザーからは、「関係のない話」「田舎だから出会うことないだろうけど」「田舎ではプレイヤーの存在自体が伝説級だよ」との声も。GPS(全地球測位システム)機能を使ったゲームであるため、居住地によっては遊び方が制限されている現状への指摘が相次いだ。
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