「日ペンの美子ちゃん」新聞広告が攻めまくり 「日報も直筆メモもきれいに」「美文字ありき」

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   「美文字ありき」「日報も直筆メモもきれいに書ける」――。学文社(新宿区)の「ボールペン習字講座」の新聞広告が、インターネット上で「攻めすぎ」などと話題を呼んでいる。

   広告は、講座の名物PRキャラクター「日ペンの美子(みこ)ちゃん」の誕生45周年を伝えるもの。なぜ、政治や時事ネタを取り入れた「攻め」のコピーを採用したのか。そこには、現在の「6代目美子ちゃん」の破天荒なキャラ設定が影響しているようで...。

  • 「美文字ありき 美子の意向」
    「美文字ありき 美子の意向」
  • 「日報も直筆メモも…」
    「日報も直筆メモも…」
  • 「忖度」のワードも(7月14日付読売新聞朝刊)
    「忖度」のワードも(7月14日付読売新聞朝刊)
  • 美子ちゃん、いったい何歳?(7月26日付「日刊スポーツ」)
    美子ちゃん、いったい何歳?(7月26日付「日刊スポーツ」)
  • 「ジュリー」って…(7月29日付「日刊スポーツ」)
    「ジュリー」って…(7月29日付「日刊スポーツ」)
  • ツイッターで公開している1ページ漫画はこんな感じ(C)学文社
    ツイッターで公開している1ページ漫画はこんな感じ(C)学文社
  • 8月2日投稿の最新回では「藤井四段」ネタ(C)学文社
    8月2日投稿の最新回では「藤井四段」ネタ(C)学文社

「なんでこんな攻めてるんだ?」

   「日ペンの美子ちゃん」は1972年、芸能誌「月刊明星」(現・Myojo)に掲載された広告で初登場。少女漫画誌の裏表紙を中心に、ボールペン習字講座の魅力をコミカルに伝える漫画広告の主人公として描かれてきた。作者の交代とともに代替わりしており、現在は「6代目」だ。

   そんな美子ちゃんの誕生45周年を記念した新聞広告は、2017年7月14日の読売新聞(朝刊)を皮切りに、これまでに計5本が掲載された(8月2日時点)。その一部を紹介すると、

「ペン習字は社会人のたしなみよ!1日20分の練習で日報も直筆メモもきれいに書けるわ!」(7月30日付「読売新聞」朝刊)
「美文字ありき 美子のご意向」(8月1日付「朝日新聞」朝刊)

といった具合だ。ちなみに、加計学園問題をネタにした「美文字ありき」のコピーの下には、

「記憶力には自信のある美子ちゃんについてはTwitterでチェック!」

とある。こちらも、なかなか風刺の効いた一文だ。

   ボールペン習字講座の広告に、政治ネタを取り入れた過激なコピー。このギャップにツイッターやネット掲示板では、

「なんでこんな攻めてるんだ?」
「面白いけど圧力掛からないか心配になっちゃう」
「ぶっ飛びすぎだろw 広告でやっていいんかこれ」

といった驚きの声が広がっている。

6代目美子ちゃんは「全共闘時代生まれの17歳」

   なぜ、政治ネタをコピーに使ったのか。学文社の「日ペンの美子ちゃん」編集部の浅川貴文さん(36)は8月2日のJ-CASTニュースの取材に対し、

「多くの人に、今の美子ちゃんのキャラクターを知って貰いたかったからです」

と話す。

   実は、漫画家の服部昇大さんが描く6代目の美子ちゃんは、時事ネタやパロディなど「きわどい」発言を連発する破天荒なキャラ設定で人気を呼んでいる。誕生から45周年を迎えるにも関わらず「年齢は17歳のまま変わらない」点が定番ネタの一つで、作中には、

「こちとら全共闘時代生まれの17歳よ!檄文をしたためるわ」(美子ちゃん)

とのセリフも出てくるほど。そのほかにも、作中にはリンゴとボールペンが登場する「美子太郎(ピコ太郎)」や「美文字ファーストの会」などのフレーズも登場する。

   服部さんの漫画は、17年1月に開設された美子ちゃんの公式ツイッターアカウントで、週に1本ほどのペースで公開されている。巧みなパロディをふんだんに取り入れた展開が話題を呼び、フォロワー数は8月2日時点で2万6000人を超えている。

   先述の浅川さんは、こうした6代目美子ちゃんの作風について「基本的には服部先生が考えていて、こちらも頂いた案をほぼ受け入れています」と話す。ただ、今回の新聞広告は「美子ちゃん編集部」全体で考えたとして、

「やはり、新聞となると読者層はツイッターより上かなと思い、政治ネタを絡めるようには意識しました。今の美子ちゃんのキャラ設定が伝わる仕上がりになったかな、と思っています」

と振り返っていた。

加計ネタは「読売じゃなくて朝日だなぁ」

   ちなみに、読売の広告には「忖度」(7月14日朝刊)という言葉を使い、朝日の広告では「美文字ありき」(加計問題ネタ)を用いている点から、ネット上では「各紙のテイストに合わせてコピーを考えているのでは」との指摘も出ている。

   この点について浅川さんに聞くと、

「いや、そこまで意識はしてないです(笑)。ただ、『美文字ありき』というコピーで行こうという話になったときには、『これを載せるなら、読売じゃなくて朝日だなぁ』という話が社内で出ましたね。試しにその方向で動いてみると、本当に実現しちゃったんです」

と笑う。また、一般紙では政治ネタを取り入れたが、スポーツ紙に掲載する広告ではエンタメ系のネタを考えたという。

   ちなみに、一連の攻めた新聞広告を掲載するにあたって、社内では一切反対する意見は出なかったそうで、

「ずっと、『これ、新聞社さんOKだしてくれるかな...』という点だけを心配していましたね(笑)」

としていた。

   広告の反響は「思っていたよりもかなり大きかった」そうで、浅川さんによれば、フォロワーの増加率やページへのアクセスは事前の予想よりも「1.5倍」ほどの数字を記録しているという。

美子ちゃん効果で受講者は「1.3倍」

   なお、6代目美子ちゃんの展開はツイッターや新聞広告だけではなく、8月3日発売の青年漫画誌「週刊ヤングジャンプ」(集英社)には約10年ぶりとなる漫画広告を掲載。8月11日からは、大阪・日本橋で期間限定のコラボカフェ(27日まで)を出店する。

   美子ちゃんの再ブームにより、ボールペン習字講座の受講者も増加中だ。浅川さんによれば、前年に比べて受講者は3割程度増加しているほか、

「これまでは30~40代の女性受講者が全体の7割以上だったのですが、美子ちゃん効果で男性の受講者も増えている」

という。

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