2024年 4月 23日 (火)

韓国通・黒田福美さんに聞く 韓国の人・魅力・付き合い方

提供:公益財団法人韓昌祐・哲文化財団

韓国人の懐に入っていくこと

――どうすれば、韓国の人たちと仲良くなれるでしょう?

黒田 やはり日本人が韓国人の懐に入っていくことだと思います。だって、私が韓国に行って、韓国の人たちと触れあったら、親切と情の嵐で迎えてくれるんですから。韓国の人は意外と生身の日本人を知らない。タクシーの運転手が言っていました。「日本人は、韓国人を支配したヒドイ民族と思っていたけど、実際に会ってみると、OLの子はかわいいし、約束を守るし」と。互いの民族のことを知って認識を変える瞬間って、ちょっとした出来事なんですね。だから接点をできるだけ持つこと。つまり韓国にできるだけ足を運ぶことだと思いますね。

   韓国の国土は日本の4分の1強で、コンパクトです。だからソウルから釜山までバスを使えば2,000円で行けます。ホテルなんか決めないで出かけても、入った食堂が民泊をやっていたりして、意外と見つかりやすいです。

――黒田さんは、日韓に関わる活動、研究をしている人々に助成金を出している(公財)韓昌祐・哲文化財団の評議員をされています。この夏、どんな助成金申請書が集まってほしいですか?

黒田 日本が韓国にかなわない素晴らしいものが3つあります。儒教、仏教、そして韓方です。日本人にとっては、中国由来の漢方薬が有名かもしれませんが、韓方が大邱(テグ)や山清(サンチョン)で発達しています。テレビドラマ『ホジュン(許浚) ~ 宮延医官への道』でも話題になりましたが、韓国での評価は、韓方医のほうが歯医者よりも上という認識です。歯医者の看板を目にするぐらいの頻度で韓方医の看板があります。この分野を研究するのも面白いかもしれません。韓国の儒教や仏教も掘り下げるにはいいテーマだと思います。

   あとは、私たちのように、韓国の人たちと交流していく者にとって参考になるような研究テーマがあるといいですね。

(文・西所正道/写真・菊地健志)

黒田福美さん
俳優・エッセイスト。1956年東京生まれ。桐朋学園大学短期大学部演劇科卒。78年に女優デビュー。84年に初訪韓して以来、テレビ番組、著書で韓国情報を発信し続ける。『ソウル マイハート』など著書多数。2002年、FIFAワールドカップ日本組織委員会理事。07年、韓国観光名誉広報大使。11年、韓国政府より「修交勲章 興仁章」を叙勲。現在、公益財団法人韓昌祐・哲文化財団評議員。

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