W杯予選、サウジ敗戦は「追い風」なんかじゃない! ハリル・ジャパンに増した懸念

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   ロシアワールドカップ(W杯)出場権を争う「三つ巴」の一角、サウジアラビアがUAEに敗れたことで日本に「追い風」ムードが漂いはじめたが、ぬか喜びしている場合ではないかもしれない。

   日本サッカー協会(JFA)常務理事の原博実氏はサウジアラビアの試合日程に触れて懸念要素をあげたほか、「実はサウジアラビアが破れて一番喜んでいるのは、オーストラリアかもしれない」とも発言。インターネット上では、日本の最終節・サウジアラビア戦について「死ぬ気で勝ちに来るサウジとアウェーでやるのか」と不安が増すとの声もある。

  • バヒド・ハリルホジッチ監督(2016年8月撮影)
    バヒド・ハリルホジッチ監督(2016年8月撮影)

「休養、調整をしっかりして最終戦に臨もうという思惑」

   サウジアラビアは現地時間2017年8月30日未明(日本時間、以下同)に行われたアジア最終予選のアウェー・UAE戦に1-2で敗戦。厳しいW杯本戦出場争いの中で痛恨の足踏みとなった。

   本戦出場が決まる1、2位争いにおいて、B組は日本(勝ち点17/得失点差9/残り2試合)、オーストラリア(勝ち点16/得失点差6/残り2試合)、サウジアラビア(勝ち点16/得失点差6/残り1試合)の三つ巴だ。

   日本は当初「少なくとも1試合勝利」が自力突破の条件だったが、残る2試合の相手がオーストラリア(8月31日)とサウジアラビア(9月6日未明)のため楽観論は薄かった。ところがサウジアラビア敗北により、日本は「オーストラリア戦に引き分けか敗北、サウジアラビア戦引き分け」でも自力突破が決まることになった。そのためインターネット掲示板では「マジか!!助かった」「かなり楽になっちゃったな」「ぬるすぎ」と追い風ムードが漂いつつある。

   だが、ぬか喜びしている場合ではないかもしれない。JFA常務理事で公益財団法人・日本プロサッカーリーグ副理事長の原博実氏は、ニュースサイト「NewsPicks」へのコメントで、試合日程の違いに言及。サウジアラビアは残り2試合中の1試合目を日本より2日ほど早く実施しており、「早めに試合をして、間をしっかり取って休養、調整をしっかりして最終戦(編注:日本戦)に臨もうという思惑」があるとしている。移動距離も短く、日本戦はホームのため、コンディション的には整いやすい。

オーストラリアは「日本戦は引き分け狙い」?

   ネット上では、崖っぷちに立たされたサウジアラビアが「最終の日本戦は死に物狂いになる」と考える向きや、「アウェイのサウジ戦は審判も敵になる」といわゆる「中東の笛」への懸念も示されている。16年9月1日のアウェー・UAE戦で、日本のゴールインと思われたシュートがノーゴールの判定を下されて物議を醸したのは記憶に新しい。

   また、原氏は上記の投稿で「実はサウジアラビアが破れて一番喜んでいるのは、オーストラリアかもしれない」(原文ママ)とも述べている。オーストラリアは「9月5日にホームでタイ戦を残している」と実力差のある相手との試合があるのを理由に、「日本戦は引き分け狙いでくるのではないか」と無理のない守備重視の戦術を予想した。ネット上でも「オーストラリア的にはアウェイ日本で1、タイで3の勝ち点4で御の字」との考えもある。

   日本はこれまでW杯予選でオーストラリアに勝利したことがない。ゆとりができたオーストラリアに勝つのは難しさが増したといえる。これを考えると、仮に引き分けたとして、勝ち点が日本18、オーストラリア17、サウジ16となる。最終戦でオーストラリアが狙い通りタイに勝てば20。日本はサウジに勝てば21になるが、負ければサウジが19になって逆転される。上記のように、サウジが最終戦で死にもの狂いで来ることを考えると、決して楽になったとはいえず、サウジが必死になる分、厳しさが増したともいえる。「どちらかに勝たねばならない」という状況ではなくなったとはいえ、楽になったとは決していえない。

   さらに、バヒド・ハリルホジッチ監督の「解任論」はいまだくすぶっている。30日の日刊スポーツでは、JFA関係者の話として「オーストラリア戦に負けた場合、今の体制でサウジとのアウェーに向かうことは考えにくい。引き分けても試合内容によっては監督更迭があるかも」と報じた。天国か地獄かが決まる大一番を前に指揮官交代という劇薬を仮に投じれば、チームが混乱に見舞われる可能性もある。

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