ファミマ・ドンキ連合の死角 「客層の違い」克服できるか

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   ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とドンキホーテHDが資本・業務提携に動いた。2017年8月24日、「基本合意した」と発表した。ユニーが運営する総合スーパー(GMS)の一部をドンキに転換する一方、一部ドンキの店内にファミマが出店することが柱だ。「ファミマ・ドンキ連合」は国内小売業の一大勢力になりそうだ。

   ユニファミマHDは、完全子会社であるユニー株式の40%を11月にドンキHDへ譲渡する。譲渡額は未公表。ユニファミマHDとドンキHDは6月、業務提携の検討を開始し、資本提携が最善だと判断した。

  • 今回の業務提携は国内小売業の一大勢力を形成するのか(画像はイメージです)
    今回の業務提携は国内小売業の一大勢力を形成するのか(画像はイメージです)

陳列から品揃えまで独自のノウハウ

   ファミマとユニーグループ・HDが経営統合し、ユニファミマHDが発足したのはちょうど1年前の2016年9月。ユニー傘下だったサークルKサンクス店舗は順次ファミマへの転換を進めており、コンビニエンスストアで業界首位のセブン‐イレブンに迫る規模を実現した。

   最大のネックは「アピタ」「ピアゴ」などの店名で展開するユニーのGMS事業だ。「衣食住」何でもそろうのがGMSの特徴だが、「衣」はユニクロ、「住」はニトリといった、価格と品質を兼ね備えた専門店に押されて苦戦している。イオンやイトーヨーカ堂を抱えるセブン&アイ・HDも共通の悩みを抱え試行錯誤を続けているが、打開策は見つかっていない。

   そこでユニファミマHDが目をつけたのが、ドンキHDだったというわけだ。ディスカウントストア「ドン・キホーテ」1号店が東京都府中市に開店してから、直近の2017年6月期まで、28期連続で増収営業増益を達成した小売業界の「勝ち組」だ。陳列の仕方から品揃えまで独自のノウハウを持ち、若者に受け入れられているほか、近年は訪日外国人客の取り込みにも成功している。07年には経営不振だった長崎屋を買収、大型の「ドン・キホーテ」に転換するなどして業績を改善させた。17年6月期の売上高8288億円、店舗数368点、株主資本利益率(ROE)13.5%から、3年後には売上高1兆円、店舗数500店、ROEは15.0%という目標を掲げる。

衣替えするだけでは...

   まずはユニー店舗にドンキを入居させるところから手をつける。2018年中に6店舗を展開する計画。閉鎖予定のユニー店舗跡をドンキブランドへ転換する。ユニファミマの高柳浩二社長は記者会見で「総合スーパーとして再生することの難しさを感じた。時間をかけているとスーパー事業の立て直しが難しくなると思った」と資本提携決断の理由を説明した。

   ドンキ内にはファミマの出店を進める。商品の共同開発・仕入れ・販促を進めるほか、物流機能の合理化、人事交流、電子マネー・ポイントカードなどの共通化の検討など、幅広く協業する。ドンキHDの大原孝治社長は記者会見で「一大グループを形成し、新しい流通を作っていくという大義で手を結んだ。業績改善に生かせるノウハウはどんどん使ってもらう」と強調した。

   課題は、あるとすれば「客層の違い」をどう克服するか。ドンキは若者中心だが、ユニーのGMSは高齢者から支持されている。ユニーの不振店をドンキに衣替えするだけで収益が改善するとは限らず、街中のコンビニがドンキ店内に入ってどこまで相乗効果を生めるかも未知数。両者の力量が試されそうだ。

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