2024年 5月 3日 (金)

DeNAがアクセル踏む新事業 脱「ゲーム一本足」が急務

競争が激しい分野

   自動車関連事業を加速する背景にはキュレーションメディア事業の挫折がある。ゲームに次ぐ事業と見立てていたが、信用力を失った今、再建は容易ではない。稼ぎ頭のゲーム事業は任天堂との協業「スーパーマリオ ラン」などの配信が好調で、2017年3月期に分野別営業利益が前期比9.1%増の282億円に達した。これは連結営業利益231億円を大きく上回る。

   つまり、ゲーム事業が、あまり稼ぎのないEコマース事業やプロ野球球団に代わって利益を生み出し、損失が発生している新規事業をカバーしている、というのが17年3月期の実態だ。かつてシャープが「液晶一本足」だったゆえに経営が悪化したこともある。DeNAが経営のリスク管理上、「ゲーム一本足」を避けるターゲットが自動車関連事業と言える。

   ただ、DeNAが自動車関連事業に参入していると言っても、多くは政府や大企業による実証実験を共同展開している段階だ。花を咲かせるためには今少し忍耐の時期が続くだろう。自動運転などの技術開発は世界中の企業がアプローチしており、競争が激しい分野でもある。DeNAにとってその真価が問われる時期となっているとも言えそうだ。

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