暴行動画の高校、謝罪文で「SNSの危険性」 「論点ズレてる」と違和感続々

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   生徒の撮影した動画がインターネット上で「拡散」したことで、男子生徒による教師への暴行事件が明るみになった私立博多高校(福岡市)が発表したお詫び文の内容に、違和感を抱くネットユーザーが続出している。

   2017年10月2日に学校の公式サイトに掲載されたお詫び文には、今回の事件について「SNSの危険性」という観点から言及した部分があった。これにネット上で、「この事件にSNSは何も関係ないだろ」「論点がズレてる」といった厳しい指摘が相次いでいるのだ。

  • 教員の胸倉をつかむ生徒(画像は投稿者の提供動画より)
    教員の胸倉をつかむ生徒(画像は投稿者の提供動画より)
  • 生徒が教員の腰あたりを強く蹴り付ける場面も(画像は投稿者の提供動画より)
    生徒が教員の腰あたりを強く蹴り付ける場面も(画像は投稿者の提供動画より)

「改めてITモラルを持たせる教育」を

   問題となった動画がツイッターに投稿されたのは9月28日深夜のこと。

   約40秒の動画には、授業中に黒板に向かう男性教員に対し、一人の生徒が殴る蹴るの暴行を加える様子がおさめられている。教員が蹴り飛ばされた場面では、クラスの他の生徒から大きな笑い声が上がっていた。

   学校側によれば、トラブルの発端は生徒が授業中にタブレット端末で動画を見ていたこと。何度か注意を加えても生徒が動画を見ることを止めなかったため、教員が授業中にタブレットを取り上げた。これに生徒が激高し、殴る蹴るの暴行を加えたという。

   各メディアの報道などによれば、暴行を振るった男子生徒は29日夜、福岡県警に傷害の疑いで逮捕された。生徒は「蹴ったことは間違いない」と容疑を認めているという。

   その後、博多高校は10月2日に「生徒による問題行動と今後の対応について」と題した校長名義のお詫び文を公式サイト上に掲載。文書では、生徒や保護者らに向けて「深くお詫び申し上げます」と謝罪した上で、今回の事件を以下のように振り返った。

「本校では、これまでも道徳教育を推進し、暴力は絶対にあってはならないものであることを教育してまいりました。また、SNSの利用につきましても、その危険性を指導してまいりました。にもかかわらず、今回の件を防ぐことが出来なかったことは残念でなりません」

   その上で、今後の学校としての対応については、「改めてITモラルを持たせる教育、生徒の心が健全に育つよう教育の充実」を図るなどと説明した。

「的外れにも程がある」

   「SNSの危険性」、「ITモラル」――。学校側がこうした点に言及したことについて、インターネット上では「問題はそこじゃない」との指摘が相次ぐことになった。

   そもそも、騒動直後(9月29日昼)のJ-CASTニュースの取材に、博多高校の内尾実副校長は、動画がネット上に拡散された経緯について、次のように説明していた。

   まず、撮影された動画はクラスの「グループLINE」で複数の生徒に共有された。これを、ある生徒が中学時代の友人にLINEで送付。別の高校に通うこの友人が、動画をツイッターに投稿したことで、一気にネット上で「拡散」することになった。動画を確認した福岡県警から連絡があり、学校側は初めて事態を把握したという。

   また、この動画をツイッターで投稿した男子高校生(16)も29日のJ-CASTニュースの取材に対し、撮影された動画の内容に憤りを感じたことで公開を決めたと説明していた。

   こうした経緯で明らかとなった事件のお詫び文に、生徒のSNSの使い方を問題視したような内容が含まれていたことから、ツイッターやネット掲示板には、

「おかしくないか?この問題はSNSによる拡散でなく生徒の暴力だろ」
「学校が出した謝罪文の内容が的外れにも程がある。むしろネットに上がって良かったよ...」
 「反省すべき本質は暴力であって、今回の事件はIT云々とかは関係ないぞ。発覚の助けになったというだけ」

といった疑問や反発の声が相次いで寄せられることになった。

   さらには、博多高校の公式ツイッターアカウントに直接リプライする形で、「もっとまともなコメントだせ」「論点ずらすな」との批判を送るユーザーも出ており、いわゆる「炎上騒ぎ」となっている。

   はたして、学校側の真意は何だったのか。J-CASTニュースは10月3日、博多高校に対し電話で取材を申し入れたが、13時過ぎに電話に出た担当者からは「(広報担当の)副校長は打ち合わせ中で今は対応できない」との返答があった。

   その後、記者が改めて連絡を取ろうと同日16時過ぎから19時までに10回以上電話をかけたが、いずれも話し中なのか「ツー、ツー」との応答音が鳴るだけだった。

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