医療現場でカリウム事故の撲滅を 間違えて静脈注射、死に至る

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   日本看護協会(福井トシ子会長)は2017年 9月28日、全国の支部担当者を集めた医療安全推進会議を開催した。

   熊谷雅美・常任理事が関連事業を説明、17年度は重大事故の再発防止を重視し、「カリウム製剤投与間違い撲滅キャンペーン」の実施を明らかにし、看護開発部が具体的内容を解説した。

  • カリウム関連の点滴は時間をかけて行う
    カリウム関連の点滴は時間をかけて行う

09年から15年までに事故 8件

   キャンペーンは看護協会と日本薬剤師会が共催、全国の病院で大々的に展開する。両団体のホームページで内容をくわしく紹介するほか、看護師向けに協会の「緊急宣言」のチラシを配付する。また、当の病院が参加していることを示す待合室用のポスター、点滴台の場所に貼る「カリウム製剤・投与量・投与方法再確認」の看護師向け注意喚起ポスターを製作、配付する。

   血中のカリウム不足は脱力感や吐き気、神経機能の低下、精神症状などを招くため、病院は塩化カリ、アスパラカリウム剤などを時間をかけてポタポタと点滴する。ところが、医師や看護師の知識不足、連携不足から間違えて静脈注射すると、高濃度カリウムのため心不全が起き、患者は死亡する。医師から「急いで」といわれたため、あるいは輸液に混ぜる指示があったのに思い込みでそれぞれ静脈注射してしまったなどの理由だ。

   2004年 5月の事故後から急速に関心が高まり、以来、厚生労働省は 5回、看護協会は 2回、注意喚起の声明を出している。日本医療機能評価機構の調べでは09年から15年までにも同じ事故が 8件も起きている。また、日本医師会、看護協会など 6団体は医療安全全国共同行動として、16年 6月、高濃度カリウム製剤の病棟保管を廃止し、薬剤部での一元管理を提言した。

   看護協会はカリウム事故を「二度と起こしてはいけない事故」とし、看護や医療安全の管理者が看護師全員にキャンペーンの趣旨を徹底し、撲滅に取り組むよう訴えた。

   点滴は事実上は看護師任せになっているが、スピードの早い場合、患者は「まさかカリ ウムではないですよね」と確認すべきかも知れない。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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