党首討論「モリ・カケ」で「場外戦」 朝日・毎日の追及を産経は「会場失笑」「仮定で反省要求」

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   与野党8政党による党首討論会が2017年10月8日、東京・内幸町の日本記者クラブで開かれ、消費税率の引き上げや憲法改正などをめぐり議論が交わされた。

   主な論点のひとつが、森友・加計学園問題。今回、安倍晋三首相が解散に踏み切った理由は「モリ・カケ隠し」との見方もあるため、野党の党首から追及が相次いだ。朝日・毎日新聞の記者からも激しい批判が飛んだが、安倍首相は「朝日新聞は八田さんの報道もしておられない」と応戦。

   産経新聞は討論会を報じる記事で両社の批判について「強弁に会場失笑」「仮定で反省要求」と指摘するなど、メディアを巻き込む形で応酬が展開されている。

  • 2017年10月7日の党首討論会に出席した際の安倍首相
    2017年10月7日の党首討論会に出席した際の安倍首相

野党・メディア批判で応酬

 

   希望の党の小池百合子代表は前日の10月7日に行われた「ネット党首討論」では安倍首相への直接の批判は「封印」していたが、今回の討論会では一転。小池氏が「モリ・カケ」追及の口火を切った。

   「情報公開が足りない」「十分な納得が国民の間にいっていない」と批判すると、安倍首相は、一部説明が足りなかったとして反省の余地はあるものの、

「予算委員会で明らかになったことは、前川(喜平・前文部科学事務次官)さんも含めて『私から言われた』『私が関与した』といった方は一人もいないということ。民間議員の八田(達夫・国家戦略特区ワーキンググループ座長)さんや原(英史・同委員)さんは口をそろえて一点の曇りもないと明確にされている」
「愛媛県の加戸(守行)知事も、ずっとこの問題に取り組んできて門を開けようとしてきた。行政がゆがめられたのではなく、ゆがめられた情勢が正されたと言っている」

と反論。続けて、

「報道されなかった部分も含めて予算委員会をすべてご覧になられた方はかなり納得していただいたのでないか」

と述べた。

   次いで、共産党の志位和夫委員長が、冒頭解散をした理由は「モリ・カケ隠し」以外にない、と断じて追及。安倍首相は

「北朝鮮の脅威において、私たちは圧力を高めていくなかでこの問題を解決していくという明確な方針を示し、その上で11月にやってくる(米国の)トランプ大統領、あるいはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)、EAS(東アジア首脳会議)の会合において、世界の首脳たちにこの姿勢を示していきたい」
「少子高齢化は待ったなし。今年中にパッケージをまとめなければ、間に合わないというなかで、消費税の使い道を問うた」

と応じた。

   最後は、社民党の吉田忠智党首。モリ・カケ問題をめぐる国民の疑念が晴れない最大の原因は、それぞれの「キーパーソン」が国会で発言をしていないため、として安倍昭恵夫人と加計学園の加計孝太郎理事長の証人喚問を要求した。

   安倍首相は、八田氏や加戸氏など、第三者が明確に疑惑を否定していることを改めて指摘し、

「こうした発言が野党の皆さんから無かったことにされているし、なかなか報道されない。そのため、理解してもらえない状況になっている」

などと野党側に「反撃」。昭恵夫人の証人喚問については「私が代わって十分にお話をさせていただいた」。加計氏は「ご本人が決めること」とコメントするにとどめた。

朝日新聞の報道姿勢を問題視

   さらに、記者からの質問の段になっても、モリ・カケ追求は続いた。

   毎日新聞の倉重篤郎・専門編集委員は

「最高権力者である総理大臣のお友達を優遇するとして(モリ・カケには)共通点があると思う」「優遇されたことについて安倍さんはこれまであんまり何もおっしゃっていない」

などと指摘。

   安倍氏は、まず「籠池(泰典・前森友学園理事長)氏は私の友人ではありません」と否定し、加計氏については「私が影響力を行使したことは全く証明されていない」。

   朝日新聞の坪井ゆづる論説委員も疑惑を糾弾。小池氏同様に、説明の不十分さを指摘した。安倍首相は、

「朝日新聞は、八田さんの報道をほとんどしておられない。しているというのは、ちょっとですよ。ちょっとですよ。ほんのちょっと。アリバイ作りにしかしておられない。加戸さんについては証言された次の日には全くしておられない。批判があったから投書欄等で載せておられる」

と、同紙の報道姿勢を問題視。坪井氏が事実でないと反論すると、安倍首相は「ここは大切なことですから、ぜひ皆さん、調べていただきたい」と呼びかけた。

朝日vs安倍首相に「会場失笑」

   朝日新聞は翌9日の朝刊総合面(東京本社14版)で、「3月以降 10回以上掲載」との見出しで、安倍氏の発言に反論している。

   記事では、八田氏の国会での答弁や、内閣府のウェブサイトで公表された見解などを17年3月以降、10回以上掲載したと主張。加戸氏についても、閉会中審査が開かれた翌日(7月11日)の朝刊で、同氏の発言を引用するなどして報じたとしている。

   こうした朝日・毎日と安倍首相の丁々発止に対し、産経新聞は9日朝刊の総合面(東京本社15版)で、「加計問題で噴飯質問」と題した阿比留瑠比・論説委員兼政治部編集委員名義のコラムを掲載。両紙の質問を批判した。

   阿比留氏のコラムでは、朝日・坪井氏が繰りひろげた応酬に「会場失笑」として、

「(朝日が)前川喜平・前文部科学事務次官の言葉を偏重し、一方で前川氏に反論した加戸氏らの証言は軽視してきたかはもはや周知の事実である」

と指摘。毎日・倉重氏については、

「事実の裏付けもなく相手に問題があると仮定の上に仮定を重ねて決め付け、反省を強いるのが記者の仕事だと思われたらかなわない」

などと、皮肉っている。

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