2024年 4月 25日 (木)

有名声優、アニメ...「はっちゃけ」のMBS選挙特番 番組Pが明かした狙いとは

   大阪のMBS(毎日放送)が、2017年10月22日夜に放送した衆院選の開票特番「激突!与野党大決戦 選挙スタジアム2017」の内容が、インターネット上で「はっちゃけすぎ」と話題を呼んでいる。

   各政党を少女漫画風のキャラクターに「擬人化」し、各選挙区の情勢を「カードバトル」形式で紹介。当確情報は有名声優による擬人化キャラの「決めゼリフ」でアナウンスする。このように、他局とは一線を画す「攻めた」内容の番組になっていたのだ。

   しかし、こうした演出を開票特番に取り入れた狙いは何なのか。J-CASTニュースが、番組プロデューサーに聞いた。

  • 「めざせ当選!国会学園」では当確情報をカードバトル形式で伝えた(画像は番組公式サイトより)
    「めざせ当選!国会学園」では当確情報をカードバトル形式で伝えた(画像は番組公式サイトより)
  • 各政党の「擬人化」キャラクター(画像は番組公式サイトより)
    各政党の「擬人化」キャラクター(画像は番組公式サイトより)
  • 「めざせ当選!国会学園」では当確情報をカードバトル形式で伝えた(画像は番組公式サイトより)
  • 各政党の「擬人化」キャラクター(画像は番組公式サイトより)

当確情報は「決めゼリフ」で

   今回のMBSによる開票特番の副題は「めざせ当選!国会学園」。コンセプトは「学園もの」で、番組には各政党をイメージした美少年&美少女キャラが登場。この擬人化キャラが、議席をめぐって「バトル」を繰り広げる演出が取り入れられた。

   番組に登場したキャラクターは、各党の「色」や党首の特徴をイメージしたような設定。例えば、希望の党を擬人化したキャラは、緑色の制服を着た短髪の女性。公式サイト上には、

「転校を繰り返し、新設校のマドンナに君臨。男子生徒はその美貌に振り回される」

との紹介文がある。また、立憲民主党のキャラ説明欄には「どんな生徒でも受け入れるのがモットー」と書かれていた。

   実際の放送では、各選挙区の情勢を伝える場面でこれらの擬人化キャラが登場。候補者の写真が入ったアニメ調のカードが表示され、画面には「BATTLE」の文字。政党キャラたちがドタバタと争うアニメが流れた後で、当確情報が伝えられる。

   当確を伝える音声は、各キャラによる「決めゼリフ」になっている。声は有名声優が担当しており、放送中には、

「この国を...守り抜く!」(自民党)
「排除されたいの~?」(希望の党)
「ナニワの底力や!!」(日本維新の会)
「仲間外れは、おいでよ」(立憲民主党)

など熱のこもったセリフが何度も流れていた。

「どんな手段を用いても若い層に伝えたかった」

   こうした番組内容に、ツイッターやネット掲示板では放送中から、

「MBSの選挙特番が面白い。面白すぎる」
「MBS毎日放送がだいぶはっちゃけとるwww」 
「このMBSの選挙特番豪華過ぎない!?声優がさ、やばいよ......!!」

などと面白がる声が殺到。実際、10月22日夜には一時、ツイッターのトレンド欄にも「MBSの選挙特番」というワードが登場した。

   いったいなぜ、ここまで「攻めた」演出を取り入れたのか。番組の小野智也プロデューサー(P)はJ-CASTニュースの取材に、

「魅力的で個性豊かなリーダーに率いられ、各党が議席獲得を争う。その『構図だけ』着目するとゲームやアニメに似ていると思いませんか?」

と指摘。その上で、今回の演出の理由について、

「ひょっとすると今回は平成最後の総選挙かも...と思って戦後政治史のステージが進むこの機会を『どんな手段を用いても』次世代の主役である若い層に伝えたかったので、このような演出を考えました」

と説明した。

   なおネット上では、各キャラを演じた声優が「誰なのか」を推測する動きも出ている。J-CASTニュースは出演声優の詳細についても取材で質問したが、「演出上の理由で非公開としている」との回答だった。

ウェブでの人気投票の「狙い」は...

   また、MBSでは開票特番の放送とともに、ウェブサイト上で各政党の擬人化キャラの「人気投票」を実施。投票は23日19時で締め切られ、1位になったのは自民党のキャラ。2位には共産党、3位には希望の党のキャラが続いた。

   この人気投票を実施した狙いについて、小野Pは「18歳未満にも1票を投じる体験をしてほしかった」と振り返る。その上で、番組を視聴できない関西以外の人にも、番組を楽しんで貰おうと考えたのも理由の一つ、とも付け加えた。

   なお小野Pによれば、擬人化キャラの細かい「設定」を紹介したのはウェブサイト上だけ。番組のオンエアでは、こうした話題は一切取り上げることはなく、

「西靖アナウンサーがきっちり当確を伝え、MBS報道局の三澤肇(はじめ)解説委員が取材で裏付けた情勢を解説しました」

という。

   番組がネットを中心に大きな反響を呼んだことについて、放送後の「手応え」を小野Pに聞くと、

「MBSは関西ローカル局ですが、全国の皆様に知っていただけたことを嬉しく思います。 『次の取り組み』を楽しみにしていただければ幸いです」

としていた。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中