同友会代表幹事「信頼、失うのは一瞬」 日産や神戸製鋼問題で苦言

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   国の規定に反して、国内全6工場で無資格の従業員が新車の出荷前の検査をしていたことが2017年9月下旬に発覚した日産自動車。新たに、問題発覚後も4工場で無資格検査を続けていたことが判明し、問題が尾を引いている。

   この問題は、9月18日に国土交通省が神奈川県の日産車体湘南工場に抜き打ち検査して発覚。日産は検査体制の見直しのため、同日からいったん全工場で出荷を止めたものの1~2日後には再開。一般向けに事実関係を発表したのは9月29日のことだった。

  • 不正発覚から信頼を取り戻す道のりは遠い(画像はイメージ)
    不正発覚から信頼を取り戻す道のりは遠い(画像はイメージ)

会見後も無資格検査

   日産の西川広人社長は10月2日に横浜の本社で記者会見し、検査の不備について「一部で常態化していた」と認めたうえで、「正規の検査員でなければいけないという認識が十分ではなかった」として謝罪。一方で、拡大戦略の中で人手不足が原因ではないかとの見方に対しては、「人手が足りなくなる中で起きたのではない」と否定した。

   その後、日産は10月6日に38車種116万台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出。検査体制を改め、原因や再発防止策を10月下旬に国土交通省に報告することで、問題の幕引きを図りたい考えだった。

   だが、それでは済まなかった。第三者中心の社内調査で、日産車体湘南工場で無資格検査が、問題発覚後、西川社長の記者会見後も続いていたことが10月11日に発覚、同17日には追浜、18日には栃木と九州の各工場でも同様の問題が次々と判明した。トップが検査体制を改めることを誓った後も、4工場では是正されないままというお粗末さだった。

「現場の自律性」の功罪

   10月19日に再び記者会見を開いた西川社長は、「日本のものづくりは、現場の自立性や強さが基本だ。ただし、それを管理する側がお任せでいいというわけにはいかない」と述べ、現場任せにしすぎたことが一因であるとの認識を示した。そのうえで、検査員の不足が背景にあることも認めた。

   問題の背景として、「日産は検査員の数が足りず、やりくりしていたのではないか」という声は同業他社に根強い。実際、日産で資格を持つ検査員は約300人なのに対し、国内生産が日産より少ないマツダは約600人。日産では長く経営トップを務めたカルロス・ゴーン会長の下、世界の工場で生産効率を競わせてきた。その過程で、国内工場の生産効率を高めることに注力しすぎ、法令遵守体制が次第におろそかになった可能性も否定できない。

   経済同友会の小林喜光代表幹事は10月18日の記者会見で、日産や神戸製鋼所など相次ぐ製造現場での不祥事に、「企業が信頼を築くには何十年もかかるが、失うのは一瞬」と苦言を呈した。日産の信頼回復への道のりは遠い。

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