医療の「術前術後」写真、厚労省が禁止方針? 高須医師が動画で反対表明「患者の不利益になる」

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   医療機関がウェブサイトに術前術後写真、いわゆるビフォー・アフター写真を掲載することを原則禁止する方針を厚生労働省が2017年10月25日に開いた検討会で決定したと、新聞各紙が報じている。

   今年6月に公布された改正医療法で医療機関のウェブサイトも広告規制の対象となった影響だが、美容外科「高須クリニック」名古屋院院長の高須幹弥医師がユーチューブに動画をアップし、反対を表明した。ツイッター上などでは美容整形手術を受けている人から不満の声もあがっている。

  • 今のところは検討中とのことだが
    今のところは検討中とのことだが

ビフォー・アフターは重要な情報にも

   そもそも医療法が改正されるきっかけとなったのは、内閣府の消費者委員会から「美容医療機関のウェブサイトの記載内容が消費者トラブルの要因となっている」との指摘があったためだ。

   国民生活センターが発表している美容医療サービスに関する相談や苦情でも、加工・修正を行った写真を掲載する、成功例や見た目のよいごく一部の症例だけを取り上げるといった悪質な術前術後写真に騙されて施術を受けた事例が報告されている。

   しかし、術前術後写真が問題なのかというとそうでもない。手術の方法や治療効果を知る情報のひとつとして本来は患者にとって必要なものだ。

   美容外科「高須クリニック」名古屋院院長の高須幹弥医師もユーチューブに「美容整形の症例写真が見れなくなることに対する私の声明。高須クリニック高須幹弥が動画で解説。」という動画を27日に投稿。

   動画の中で術前術後などの症例写真は施術によって表れる症状の長期的な経過や手術の方法、医師の手技を患者にあらかじめ知ってもらうために必要な手段であると強調。たとえば、手術痕の残り方によって、医者の腕が分かる場合もあり、患者にとっていろいろ有益な情報が得られるとしている。

「(施術に関する情報を)予習できないまま不安を抱えて施術を受けることで、かえって患者のトラブルが増える。患者の不利益になるのではないか」

と指摘している。

   ツイッター上でも美容整形手術を受けていると思われるユーザーや検討しているユーザーから、

「何を信じてどの病院に行けばいいのかわかりにくくなる」
「先生のセンスがわからなくなるから困る」
「症例写真があるからいい病院か悪い病院か判断していたのに」

といった声があがっている。

厚労省「原則禁止とは確定していない」

   術前術後写真は美容医療だけでなく、それ以外の診療科でもウェブサイトに掲載されていることが多く、「口唇口蓋裂(先天的な口やあごの形状異常)」や乳がん切除手術後の乳房再建、「太田母斑(顔や下半身を覆うような非常に大きなあざ)」など見た目に影響する病気の治療説明ではしばしば見かける。

   検討会の資料でも「術前術後の表示の扱いに関する規制案」として、

案1)誘引性があるもの(学会や論文で発表された写真以外)は原則として禁止する
案2)虚偽・誇大なものを禁止する

の2案が示されており、写真の有用性は認めているようにも見える。

   なぜ原則禁止とするのか、検討会を開催する厚労省医政局総務課にJ-CASTが取材したところ、「検討会として案1を推す意見が多かったものの、原則禁止にすると決定したわけではなく、現状の報道には困惑している」との回答があった。

「消費者団体や患者団体などから『ウェブサイトに掲載された術前術後写真が美容医療トラブルの大きな原因になっているのではないか』との指摘があるのは事実ですが、検討会でも意見は割れており、医療機関や専門家からは原則禁止は厳しいとの声が出ています。今後も検討会を開催しパブリックコメントなども募集した上で、最終的な規制案を決定します」
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