アメリカのスバリストも泣いている SUBARU、苦い100周年

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   SUBARU(スバル)は2017年11月16日、無資格の従業員に完成車の検査をさせていた問題で、「レヴォーグ」など9車種約39万5000台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。同社は2017年、創業100周年を迎え、4月に富士重工業から社名変更したばかり。記念の年に不祥事だけは避けたかったはずだが、日産自動車の不正を受けた社内調査で、同様の不正が発覚してしまった。

   同社は1917年に軍人で実業家の中島知久平が、地元・群馬県太田市に創設した飛行機研究所を源流とする。翌年には中島飛行機製作所に、1931年には中島飛行機に改称し、戦闘機などを製造した。1945年の敗戦を受け、富士産業に改称。分割による解体を経て、1953年に一部が再結集し、富士重工業が設立された。

  • スバルの吉永泰之社長(2017年10月25日撮影)
    スバルの吉永泰之社長(2017年10月25日撮影)

社名を変えてブランド名と統一

   1958年発売の軽自動車「スバル360」からスバルブランドを活用。長らく「いい車を作るのに、商売は下手」といわれてきたが、近年は運転支援システム「アイサイト」を搭載するなどして人気に火が付いた。特に米国で人気が高く、スバルをこよなく愛するユーザーを指す「スバリスト」という言葉も生まれた。2016年度の世界販売台数は106万台を突破し、5年連続で過去最高を更新している。100周年を機に社名を変えてブランド名と統一させ、スバルブランドを一層磨こうとしていた矢先の不祥事発覚だった。

   国交省から不正が指摘された後も、無資格者が検査を続けていた日産に比べると、「悪質さ」は低いとの声が多いとはいえ、経営への影響は小さくない。10月27日に吉永泰之社長が記者会見を開いた段階でリコール対象車は25万台、対策費用は50億円と見込んでいたが、11月6日の中間決算発表時には100億円に積み増し、11月16日のリコール届出時には、さらに40万台弱、200億円に倍増させた。当初は無資格者が関与した疑いがある車両のみを対象としていたが、関与の有無にかかわらず、出荷後に一度も車検を受けていない全車両(軽乗用車を除く)に広げた。トヨタ自動車に供給している「86(ハチロク)」も含まれる。

恒例の「スバル感謝祭」中止

   地元・群馬にも影響は広がっている。11月5日に群馬製作所で予定していた毎年恒例の「スバル感謝祭」は中止に。模擬店などが出るお祭りで、地元の人は毎年楽しみにしているという。また群馬県は10月30日に緊急の対策会議を開催。県内の部品メーカーなどに影響が出る場合は相談窓口を設置するなどして対応していくことを確認した。

   業績の急拡大に対し「まだまだ実力が付いていなかった」と反省する吉永社長。苦い100周年となってしまった。

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