2018年 5月 24日 (木)

みずほFG株価に「取り残され感」 ライバルと決定的に違う「体質」

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   みずほフィナンシャルグループ(FG)の株価が伸び悩んでいる。2017年12月13日は前日比1.1円高の207.3円と5日続伸したが、1月につけた年初来高値(217.3円)からは10円安く、なかなか届きそうにない。

   12月11日に日経平均株価の終値がバブル後の最高値を更新するなど、株式市場全体としては上昇が続き、他のメガバンク2行は三井住友FGが同日に年初来高値を更新し、三菱UFJFGの終値も年初比7.7%高だったことを思えば、みずほFGの「取り残され感」は鮮明だ。業績が低迷する中、11月に経営を効率化するため「1.9万人の人員削減」を公表したものの、市場の目は厳しい。

  • みずほFGに対する市場の目は厳しい(画像はイメージ)
    みずほFGに対する市場の目は厳しい(画像はイメージ)

マイナス金利政策による金利低下の影響

   みずほFGが11月13日に発表した2017年9月中間連結決算の純利益は、前年同期比11.5%減の3166億円。日銀のマイナス金利政策による金利低下の影響を受け、国内融資事業の儲けが減っていることが背景にある。実際、「本業の儲け」を示す業務純益(みずほ銀行、みずほ信託銀行の2行合算ベース)は前年同期比40.5%減の1807億円と大きく落ち込んでいる。貸出金利から預金金利を差し引いた国内の預貸利ざや(政府等向け貸出金控除後、2行合算)が0.86%と前年同期から0.07ポイント縮小、利ざやが縮んで稼ぎにくくなっているのだ。

   設備更新を含めて企業の設備投資意欲はあるとみられているが、資金を貯め込んでいる企業が多いため、「銀行から借りよう」という資金需要自体が盛り上がっていないことも逆風だ。一方、投資信託など窓口で販売する金融商品の手数料収入も低迷した。2018年3月期通期の純利益は、前期比8.8%減の5500億円とする従来予想を据え置いた。

「1万9000人削減」も「物足りない」?

   他のメガバンクを見ると、三井住友FGの2017年9月中間連結決算は、純利益が前年同期比17.0%増の4201億円だった。利ざや縮小によって業務純益(三井住友銀行単体ベース)は40.4%減の3053億円と、みずほFG並みの減少幅で悪化したものの、持ち合い株式の売却益のような一時的な利益や海外事業の拡大などが全体の利益を押し上げた。三菱UFJ・FGの2017年9月中間連結決算の純利益は前年同期比27.8%増の6269億円だったが、業務純益(三菱東京UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行の2行合算ベース)は13.3%減って4422億円と本業が厳しいことは同じだ。そうした中で3メガのうち、みずほFGのみ純利益が減益なのは、海外展開の出遅れなどを含め、全体としてライバルより稼ぎにくい体質にあるためだ。

   そこで経営効率化となる。

   みずほFGが11月に発表した工程表によると、2021年度に現在の全従業員(パートを含め7.9万人)の1割にあたる8000人を減らし、1000億円超の経費を圧縮する。さらに、26年度末までに計1万9000人を減らす。他の2メガバンクもIT活用による経営効率化を検討しているが、「9500人分の業務量を減らす」(三菱UFJFG)、「4000人分の業務量を減らす」(三井住友FG)と「業務量」に着目するのに対し、みずほFGは「配置転換でなく実数を減らす」(佐藤康博社長)と踏み込んだのも、業績や株価を意識したものだろう。ただ、実数とは言っても希望退職者を募集するわけではなく、旧3行(日本興業、第一勧業、富士)時代のバブル期大量採用者が転籍・退職を迎えるなかで新規採用を抑える「自然減」ではある。工程表公表後もみずほFGの株価は伸び悩んでおり、株式市場は「物足りない」と見ている可能性がある。

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