2024年 4月 21日 (日)

野村克也、25年越しの謝罪 「俺以外の監督なら絶対に記録を残した」はずのスライダーの天才、伊藤智仁を前に

伊藤氏「誰や...監督?監督やな」

「伊藤が『肘が』と言った時に、『責任は俺かな』とすごく思っていた。使いすぎたかな、すごく申し訳ないなと。それだけは謝りたい。間違いなく俺以外の監督の下なら、記録は絶対に残しているよ。俺が邪魔したみたいだ。申し訳ない」(野村氏)

   隣で口を真一文字に結んで聞いていた伊藤氏から出たのは「僕は自分の責任だと思っています。そういう風に思ってほしくないです」という言葉だった。

「僕はあそこで代えられたら嫌でした。マウンドを降りるほうが嫌でした。投手は先発したら完投するのが当たり前です。何球投げようが関係ないです。先発として最後まで投げるのが使命だと思います。何とも思っていませんよ、監督」(伊藤氏)

   微笑む伊藤氏に野村氏は「いやいや、それは、ありがたいけど」と口ごもった。伊藤氏は野村氏と会う前、番組に「ケガを恐れてやったことはない。打たれるくらいだったら腕がちぎれても投げたいと思っていた。そこはまったく後悔せずに前を向いていきたい」とも話していた。

   厳格な野村氏が謝罪を口にしたことにツイッター上では反響が殺到し、

「ノムさんがここまで本人の前で言うか・・・」
「重たい。ずっと十字架背負ってたんだな。きっと監督のせいにした時間もあったかもしれないけど、今この言葉が聞けて野村監督もよかったね」
「野村監督、25年間酷使させたと心の奥にずっと責任を感じていたんですね」

といったことが投稿された。

   番組で伊藤氏は、球場に入るまで野村と会うことを知らされていなかった。ベンチに座る野村氏を遠目で確認した瞬間、「誰や...監督?監督やな」と驚き、スタッフに「言うといてくれよ」と笑った。この自然と出た「監督」の言葉に、

「伊藤智仁が25年を経ていまだにノムさんのことを『監督』って呼ぶのは泣ける」
「何年経ってもノムさんのことを監督って呼ぶのね」
「伊藤がノムさんに気付いた瞬間、監督、と呟くのがいい。長い時間を経ても関係はそのままというか」

といった反響も相次いでいた。

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