2018年 11月 14日 (水)

北朝鮮、合意内容めぐり「不気味な沈黙」 「非核化」への「本気度」、韓国側発表との隔たり

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   文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北朝鮮に送った特使団が2018年3月6日夕方に韓国に戻り、4月末に板門店で南北首脳会談を行うことで合意したと発表した。北朝鮮側は「朝鮮半島の非核化の意思」を表明し、「体制の安全が保障されるのであれば、核を保有する理由がない点を明らかにした」という。

   ただ、北朝鮮側は3月6日朝、朝鮮労働党の金正恩委員長の満面の笑顔の写真付きで「満足な合意をみた」と報じたのを最後に、合意の具体的な内容を報じないままだ。韓国側の発表から丸1日近く経っても沈黙を守る一方で、3月7日の労働新聞には「責任ある核大国」として「平和と安全を守っていく」と核保有を正当化する論評を掲載した。本当に北朝鮮は「核を保有する理由はない」と思っているのか。

  • 金正恩氏は韓国側の特使団を笑顔で出迎えた。非核化への本気度が問われている(写真は労働新聞から)
    金正恩氏は韓国側の特使団を笑顔で出迎えた。非核化への本気度が問われている(写真は労働新聞から)

対話中は「追加核実験と弾道ミサイル発射せず」

   青瓦台(韓国大統領府)の発表によると、北朝鮮は

「非核化問題協議と米朝関係正常化のために、米国と虚心坦懐な対話をする用意があることを表明した」
「対話が続く間、北朝鮮側は追加の核実験と弾道ミサイルの試験発射などの挑発を再開することはないことを明確にした」

という。特使団のトップとして記者会見に臨んだ青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長によると。米韓が4月から合同軍事演習を例年通りの規模で実施することを北朝鮮は「理解する」ことを表明したという。会談が行われるのは板門店の韓国側施設「平和の家」。正恩氏が韓国側の施設に足を運ぶことを含めて、北朝鮮は「破格の条件」を韓国側に示したと言える。

   ただし、この「破格の条件」は、現時点では北朝鮮側から発表されたものではない。北朝鮮側は3月6日朝の国営メディアで

「南側の特使代表団一行と北南関係を積極的に改善させ、朝鮮半島の平和と安定を保障するうえで提起される問題について虚心坦懐の談話を交わした」
「南側の特使から首脳対面に関連する文在寅大統領の意を伝え聞いて意見を交換し、満足な合意をみた」

と報じたのを最後に、7日夕方時点で南北の合意に関する続報はない。日韓では7日朝刊のトップ項目は南北首脳会談に話題だったのに対して、労働新聞のトップ項目は、金正恩氏に対して他国から祝電が寄せられたという話題だった。

「平和を愛する責任ある核大国」として「朝鮮半島と世界の平和と安全を守る」

   ただ、最終面にあたる6面に「核保有は正当」だとする、「リ・ハクナム」なる人物による論評を掲載。そこでは、北朝鮮の核武装について

「私たちの核抑止力強化で、朝鮮半島と北東アジア、ひいては世界の平和と安全が頼もしく担保されるようになった。私たちの国が水爆、大陸間弾道ロケット(編注:ICBM)を保有しているのは、米国とのパワーバランス(の均衡)を達成するための闘争で収めた輝く勝利だ」

などと主張。北朝鮮は「平和を愛する責任ある核大国」だとして、今後の対応には

「朝鮮半島と世界の平和と安全をしっかり守っていく」

と言及した。北朝鮮が「核を保有する理由がない」とする韓国側の発表とは隔たりがあるように読める。

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