2024年 4月 17日 (水)

神鋼、異例の「傍流」出身トップ 「データ改ざん」ショックの乗り切り方

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米国・カナダでは集団訴訟

   新たに社長に就任する山口氏はコンプレッサーなど機械事業部門の出身で、2017年に同部門担当の副社長となった。品質データ改ざん問題は主力の鉄鋼やアルミ・銅事業部門が中心で、機械事業部門は比較的かかわりが少なかったため、神戸製鋼は不正の再発防止など経営の建て直しに最適と判断したようだ。これまで同社の社長は主力の鉄鋼部門出身者が就くことが多かったので、異例の「傍流」出身のトップということになる。

   神戸製鋼は2018年3月期の通期業績として、売上高が1兆8900億円(前期比11.4%増)、最終利益が450億円と、3期ぶりの最終黒字を予想している。取引先への補償費用などで100億円の経常損益の悪化を見込んでいるが、経常損益も前期の赤字から600億円の黒字を確保する見通しだ。自動車メーカーなどは神戸製鋼との取り引きをすぐに変更できない事情もあり、短期的には神戸製鋼の経営に大きな打撃はないようだ。

   しかし、神戸製鋼は今後の米司法当局の捜査の進展しだいでは巨額の制裁金を科される可能性は残っている。米国、カナダの消費者からは消費者保護に反するなどとして集団訴訟を起こされており、今後の行方はなお予断を許さない。

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