2024年 4月 30日 (火)

トランプ大統領が目論む 「輸入制限」を道具にして...

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日本の対応

   トランプ大統領が一部の国を対象から外すことにしたのは、こうした国内の反対を受けてのことかは不明だが、個別の通商交渉の道具としても、この高関税を使う意図は明白だ。

   まず対象から外したカナダとメキシコについてトランプ大統領は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉次第だと主張し、こう着する同協定見直しで両国に譲歩を求める姿勢を鮮明にしている。

   その他の国・地域はどうか。鉄鋼製品などの過剰生産で今回の事態の『元凶』といえる中国が対象から外れることは考えられず、中国商務省はこの日、トランプ大統領の署名を受け、「多角的貿易体制を破壊し、国際貿易秩序にひどい損害を与えるものであり、中国は断固として反対する」と、強く反発するコメントを発表。「みずからの正当な権益をあくまでも守り抜く」として報復措置も検討する考えを改めて示した。

   同盟国などへの適用除外は、申請があれば、米国の安全保障や経済的利益に照らして審査し、判断するとしている。世耕弘成経済産業相は9日の閣議後会見で、「極めて遺憾」としつつ、「(日本の)対象除外について米国に働きかけたい」と米国に除外を要請する考えを表明。10日にベルギー・ブリュッセルで米国のライトハイザー通商代表と会談することを明らかにし、この場でさっそく働きかける方針だ。

   欧州連合(EU)は中国と同様、報復関税を含む対抗措置も辞さない考えを表明してきているが、対象除外についての米国との協議に向うかどうかは不透明だ。

   米国との交渉になる場合の条件などは現時点で明らかになっていないが、米国側は貿易赤字の削減策や米国に有利な通商協定などを絡めて「ディール(取引)」を迫るとみられる。それは、各国が結束して米国に対抗することにならないよう、『分断』を図る意味もある。

   今回の高関税を課す政策が、自由貿易を基本にWTOを中心とした国際貿易の大きな枠組みをぶち壊しかねないと、多くの国が懸念している。

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