2018年 6月 25日 (月)

「南アフリカW杯」再現、キーマンは? 本田&岡崎は「必要な人材」

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   日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、ロシア・ワールドカップ(W杯)初戦までわずか66日に迫った2018年4月9日、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督を電撃解任し、西野朗・技術委員長が新監督に就任すると発表した。

   もう時間がないW杯へ、注目されるのは西野監督の選手選考だ。元日本代表の福田正博氏は、ここ最近のハリルホジッチ体制下で冷遇されてきたパチューカ(メキシコ1部)のFW本田圭佑(31)と、レスター(イングランド1部)のFW岡崎慎司(31)を「入れてくると思う」と予想。指揮官切りは功を奏すのか。

  • 日本代表のハリルホジッチ監督が解任された(20160年8月撮影)
    日本代表のハリルホジッチ監督が解任された(20160年8月撮影)

「1%でも2%でもW杯で勝つ可能性追い求める」

   田嶋会長は会見で、「3月の欧州遠征のマリ戦とウクライナ戦で、選手とのコミュニケーション、信頼関係が薄れてきた。総合的に評価し、1%でも2%でもW杯で勝つ可能性追い求めるためにこの結論に至った」と、ハリルホジッチ監督の解任理由を説明。17年9月まで戦ったW杯アジア最終予選の前後から進退の議論はあったといい、欧州遠征が最終的な引き金となった。

   マリは「仮想セネガル」、ウクライナは「仮想ポーランド」と、W杯で戦う相手国を見据えた試合だったが、結果は1-1と1-2。ほとんど光明も見いだせなかった。17年9月にW杯アジア最終予選を終えた後、欧州組を招集した試合は1勝1分4敗と低迷していた。

   ハリルホジッチ監督には滞在先のフランス・パリに7日、田嶋会長自ら出向き、直接伝えた。「ビックリしていたというのが僕の印象。動揺も怒りもあった。なぜだと。しかし、あれがあったから、これがあったからと羅列するつもりはなかった。やめていただく方には、傷つけるより線を引いたと伝えるのが大事と思った」などとハリルホジッチ監督の反応を伝えた。

   後任は「内部からの昇格しかないと考え、2か月しかない中で、内部で見てきた西野朗技術委員長を監督に決定した」という。「西野さんは最後までハリルホジッチさんをサポートした。そのロイヤリティがあったから後任にした。足を引っ張るのではなく、技術委員長としてサポートに徹してきた」と信頼を寄せている。

   W杯を率いた経験を重視して監督選考してきた協会だが、もちろん西野氏にその経験はない。田嶋会長は「緊急事態になってしまった。(W杯まで2か月の)いま、外部の関係ない人を連れてきて指揮するほうが大変」とし、「もしこのロジックを続けると、(98年・10年W杯を率いた)岡田(武史)監督以外の日本人は代表監督をできないことになるので、クライテリア(基準)は考えないといけないと思っている」とも続けている。

   「W杯前のこの時期に監督を解任して、グループリーグを突破した例はほとんどない」との指摘もあるが、「アジア最終予選の初戦でUAEに負けた時にも、『突破できない』とみなさんに言われた。変えたからと言ってグループリーグを突破できるわけではない。しかし、変えないでむざむざ負けるのは見ていられなかった」と反論している。

   西野新監督の任期はロシアW杯終了まで。現在スタッフ編成中で、12日にも改めて新体制の記者会見をしたい考えだ。

「いろんな人のいろんな情報を得て、慎重にコメントする」

   田嶋会長は西野監督を「慎重な方」だと繰り返した。元日本代表の福田正博氏も、9日放送の「Nスタ」(TBS系)で、「慎重」という表現を使っている。

「インタビューなんかで質問すると、『お前はどう思う』と逆に質問してきて、いろんな人のいろんな情報を得て、慎重にコメントする方。選手をよく見ている。そんなに言葉は多くないけど、信頼できる。国際経験もあるから今の状況では適任という感じ」

   気になるのは選手選考だ。ハリルホジッチ監督は本田圭佑や岡崎慎司、香川真司ら、代表を長く支えてきた面々をここ半年、積極的に招集・起用していない。だが福田氏は、西野監督就任で変わると考えている。

「ハリルホジッチ監督であれば本田や岡崎には厳しいと思うが、西野監督は入れてくる可能性が高い。なぜなら、チームがこういう苦しいときは経験が重要であり、2人はW杯を2回経験している選手だから、必要な人材になってくる。力もある。戦術が違ったのでハリルホジッチ監督には冷遇されてきたが、戦術が変われば、まだまだ仕事ができる選手。入ってくる可能性は高い」

   岡崎は史上3人目の代表通算50ゴールを記録し、本田、岡崎、香川の3人はハリルホジッチ体制下でトップタイのそれぞれ通算9ゴールをマークしているという実績もある。

   西野監督は2016年3月に技術委員長に就任し、代表をサポートしてきた。かつて柏レイソルやガンバ大阪を率い、J1歴代通算最多の270勝をあげた実績のほか、1996年のアトランタ五輪では監督としてブラジルを破る「マイアミの奇跡」を呼び起こした勝負強さもある。

   高圧的と言われたハリルホジッチ体制では選手が萎縮している印象もあった代表。時間はないが、西野監督の立て直しにより、直前までの危機的状況から大胆な戦術変更でベスト16進出を果たした10年南アフリカW杯の再現を期待する声は少なからずあがっている。

「もはや結果重視の守備偏重カウンターフットボールしか期待できない。南アフリカの時のようなものを期待するしかない!」
「リアリティを求めるのなら 南アフリカの時の岡田監督みたいにきっちり守って1点取るスタイルにするべきだろう」
「南アフリカ岡田氏の再現なるか?」

   ただし、

「西野なんて長期でじっくりチーム作るタイプだからこの状況においては最悪の類の監督ではなかろうか」
「何かを変えたかったのかもな。でも遅すぎや。 時間がない」
「南アフリカの時はギャンブルに成功して逆境をはねのけたけど今回はさすがに無理そう」

と冷ややかな声も数多い。

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