2024年 4月 19日 (金)

マネックスの野望 「コインチェック買収」のその先

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激動の金融戦国時代で下克上を

   松本氏の狙いは、単なる手数料収入拡大だけではなさそうだ。松本氏は記者会見で、仮想通貨が「クレジットカードを超える新しい支払い手段になる」との認識を示したうえで、「仮想通貨交換業の本質は、ますます銀行に近いものになっていく」と語った。仮想通貨に使われる新技術「ブロックチェーン」の普及で近い将来、現金が消え、多くの支払いがデジタル化されるかもしれない。金融業界の主役が旧来型の銀行から、ブロックチェーンを駆使するIT業者らに取って代わる事態も想定される。

   金融業界が大転換期を迎えようとする中、ブロックチェーンなどのノウハウを持つコインチェックを旧経営陣や技術者ごと取り込み、「新時代の総合金融機関」としてのし上がる――。松本氏の発言からは、激動の金融戦国時代で下克上を果たそうとする「野望」が透けて見える。

   ただし、今回の買収はリスクとも隣り合わせだ。ネム流出問題でコインチェックの信頼は地に落ち、客離れも起きている。ネム流出の被害者による訴訟も抱えているほか、今後はセキュリティー対策の費用もかさむとみられ、今までの高収益体質が続くとは限らない。

   市場は36億円での買収を「破格」と受け止め、マネックスグループの株価はひとまず急騰した。松本氏も買収について「何か特別なリスクが潜んでいるとは考えていない」と自信を示す。市場の期待に応え、総合金融機関への変貌を遂げられるのか。松本氏の手腕が問われる。

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