2018年 9月 25日 (火)

ジェットコースター「緊急停止」は増えたのか 相次ぐ報道、背景は「SNS」?

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   「メディアの取り上げ方も変わってきました」――。「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の運営会社の広報担当者は、J-CASTニュースの取材にそう語る。

   USJでは前日、人気ジェットコースターが緊急停止。乗客が一時、「宙吊り」状態になった。各メディアが報じた、この一件。実は過去の新聞記事を掘り起こすと、同様のニュースがこの数年で異常に増えていることが分かる。

  • 「ザ・フライング・ダイナソー」(画像はユー・エス・ジェイのプレスリリースから)
    「ザ・フライング・ダイナソー」(画像はユー・エス・ジェイのプレスリリースから)

USJで起きた「宙吊り」騒ぎ

   USJで2018年5月1日16時45分ごろ、人気ジェットコースター「ザ・フライング・ダイナソー」の車両2両が緊急停止。USJを運営するユー・エス・ジェイ(大阪市此花区)の広報担当者によると、1両はスタート直後の急な上り坂で地上約20~30メートル、もう1両はゴール直前の地上約7~8メートルで停止した。

   乗客計64人は最長約2時間、空中で体を下に向けた、「宙吊り」の状態で取り残された。係員が順次、コースターから乗客を降ろし、避難用通路に誘導した。けが人はいなかったという。

   担当者は2日のJ-CASTニュースの取材に、コースターのモーター関連の部品に異常があり、異常を検知するセンサーが作動したため、緊急停止したと説明。「乗客の安全を最優先する形で対応した」とした。

   こうした緊急停止の情報は、新聞やテレビなどの報道で大きく報じられることに。たとえば新聞のウェブ版では、「USJコースター緊急停止...下向き宙吊り2時間」(読売新聞)「今も足の震え止まらず コースター宙づりで」(毎日新聞)との見出しで伝えた。

   「ザ・フライング・ダイナソー」は16年3月、映画「ジュラシック・パーク」のエリア内に誕生。全長1124メートルのコースを高速旋回するため、USJでも指折りの「絶叫系」アトラクションとして知られる。こうして「緊急停止」が報じられるのは、今回が初ではない。

新聞報道は前年比3倍、2年前の14倍

   「ザ・フライング・ダイナソー」は17年8月、乗降場付近の立ち入り禁止エリアに子どもが入ったことを確認し、緊急停止。9月にも、異常を知らせるセンサーが反応して、地上数メートルで緊急停止。乗客は約30分間、取り残された。

   また、他の人気ジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド・バックドロップ」も18年2月、センサーが反応し、コースの最高地点付近(地上約43メートル)で緊急停止。4月3日にも「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」の緊急停止が報じられたばかりだ。

   USJの人気ジェットコースターでこうして相次いで報じられることに、ツイッターなどインターネット上では「USJのジェットコースターで緊急停止?多いような気が」「USJってよくジェットコースター系が途中で止まるね」との声が少なくない。

   だが、ユー・エス・ジェイの広報担当者は「乗客の安全第一で対応しているので、緊急停止そのものはよくあります」と明かした。実際、朝日新聞(ウェブ版)の17年9月29日記事では「週に1、2回はあるという」と伝えている。担当者に確認すると、「そこまではっきりとした傾向はありませんが、多い時は多いです」。報道では、そのごく「一部」のみ報じられているという。

   「今では、来場者の方が緊急停止したことをSNSで発信するので、メディアの方はその投稿を見て、こちらに電話を入れてくるようになりました。我々がまだ(緊急停止したことを)知らないこともあります」。担当者はそう述べた上で、

「緊急停止自体は過去に何度も起きていたこと。ただ、メディアでの取り上げられ方が変わってきていると感じます。我々としては今回の緊急停止が特段、どうこうではない。安全を担保できなければ停止、確認できれば動かすのみです」

   各メディアでは以前と比べ、このようなジェットコースターの緊急停止を伝える記事が増えているようだ。J-CASTニュースでは、新聞記事データベース「日経テレコン」で「ジェットコースター 緊急停止」と検索し、新聞(全国紙・一般紙・スポーツ紙など)の報道量を調べた。期間別に分けると、以下のようになる。

2017年5月3日~18年5月2日...490件
2016年5月3日~17年5月2日...150件
2015年5月3日~16年5月2日...35件
2014年5月3日~15年5月2日...4件
2013年5月3日~14年5月2日...19件

   ここから分かるように、直近の1年間の記事数は、前年比3倍超にのぼる。2008年5月3日から13年5月2日までの5年間でも、わずか39本だった。

持ち物を落としたから?→担当者は...

   なお、今回の緊急停止をめぐっては、乗客がタバコやスマホなどの持ち物を落としたことが原因ではないかとのウワサが、ツイッターで飛び交っている。だが、担当者はJ-CASTニュースの取材に「違います」とキッパリ否定。

   「ザ・フライング・ダイナソー」と「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」では、乗車前に荷物を棚に預ける決まりで、持ち込みは一切不可だと説明した。乗客にはあらかじめ、口頭で呼びかけたり、待機列で映像による説明をしたり、看板で周知したり、監視カメラで確認したりしているという。

   「お客様には改めて、ルールを守って乗ってもらうようお願いしたい」と、担当者は話した。

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