2018年 9月 19日 (水)

データ書き換えの驚くべき「動機」 SUBARUが報告書

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   SUBARU(スバル)は2018年4月27日、新車検査での燃費や排ガスデータ書き換え問題に関する調査報告書を国土交通省に提出した。少なくとも12年12月に始まり、確認できただけで903台が書き換えられていた。原因・背景については、規範意識の薄さなど「企業体質に由来する問題」とした。無資格検査問題に続く不祥事。果たして「ウミ」を出し切れるのか、自浄能力が問われることになる。

   昨17年秋に発覚した無資格検査問題について従業員に聞き取り調査を行う過程で、燃費抜き取り検査の測定値の一部を変更した可能性があるとの証言があり、詳細を調査していた。燃費・排出ガス測定についての技術的な性質が強いことから、第三者によるものではなく、製造本部や品質保証本部を中心とした社内調査だった。

  • スバルの吉永泰之社長(2017年10月25日撮影)
    スバルの吉永泰之社長(2017年10月25日撮影)

現場の検査員や班長の判断で

   不正は群馬製作所の本工場(群馬県太田市)、矢島工場(同)で行われていた。実際の測定結果として記載すべき数値とは異なる数値を、社内書類である「月次報告書」に記載していた。2012年12月から17年11月までの間に、測定の対象だった6939台のうち、903台で書き換えが判明した。12年11月以前については、測定装置等にデータが保存されていないため正確には確認できなかった。だが、従業員の証言によると、02年ころには書き換えが行われていた可能性が高く、それ以前についても同様の行為が行われていた可能性を否定できないという。

   書き換えは現場の検査員や班長の判断で行われており、その手法は先輩から後輩へと受け継がれていた。上位者に当たる係長からの指示はなく、班長から係長への報告もなかったが、係長の中には測定業務の経験者もおり、書き換えを認識していたと考えられるという。課長以上の管理職および経営陣は、書き換えの事実を認識していなかった。

   驚くのは、その動機だ。数値にばらつきがあると、上司への説明に手間がかかることや、検査員が技量を疑われることを避けるためだったと指摘した。このため、悪い測定値を良くする方向だけでなく、良い測定値を悪くする方向にも行われていた。

「企業風土に由来する問題」と陳謝

   一方、書き換えが行われる前の本来の測定値を使った場合でも、品質管理基準を満たしていることを確認した。このため、リコール(回収・無償修理)は行わない方針だ。

   なぜ、こうした書き換えがまかり通ったのか。報告書は▽現場から経営陣に至る完成検査業務の持つ公益性・重要性に対する自覚の乏しさ▽規範意識の欠如▽教育の不足・不十分な知識・社内ルール等の不備▽担当部署の閉鎖性▽コミュニケーション不足・現場に対する無関心▽監査機能の弱さ▽測定値の書き換えを可能とするシステムの設定――を列挙した。

   吉永泰之社長は、記者会見で「企業風土に由来する問題。多大なご迷惑を掛けた」と陳謝した。規模は小さいが、「良い車」を作る「誠実な会社」というイメージがあっただけに、信頼を裏切った打撃は大きい。6月に社長を退き、会長兼最高経営責任者(CEO)として再発防止に注力する吉永氏の手腕が問われる。

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