2018年 10月 19日 (金)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
唯一の救いは日大学生の潔さ アメフト問題、大学人としての視点

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   日大アメフト問題については、筆者も大学人なので興味深く見ている。

   この事件の関係者には、日大アメフト部の当時の監督(のち辞任)、コーチ、学生選手がいる。筆者は大学スポーツには直接関与してないが、看板スポーツ部であれば、独特の雰囲気があることくらいは承知している。

  • 悪質タックルがあったシーン(提供:関西学院大学)
    悪質タックルがあったシーン(提供:関西学院大学)

日大・危機管理学部の教職員に官僚OBが半数近く

   事件の時系列を整理しておこう。

(2018年)
5月06日:試合当日
10日:関学から日大へ抗議文、日大は謝罪(HP)
11日:日大選手が謝罪を申し出るも、監督が止める(選手証言)
12日:日大コーチと選手が関学に謝罪に行くが関学が拒否
18日:日大選手と親が関学被害選手と親に謝罪
19日:日大監督が関学監督らに謝罪、辞任を表明
22日:日大選手が記者会見
23日:日大前監督、コーチが記者会見

   これだけみても、学生選手のほうが対応が早く、前監督、コーチが後手に回っているのがわかる。

   大学人としてみると、学生選手のほうが社会常識があるのでほっとするとともに、学生に先に行動させざるをえなくしている教職員には情けない思いだ。

   どこの大学にも、スポーツに限らず不祥事はありえる。もちろん事前の予防対策は重要だが、事後の危機管理の備えも欠かせない。

と思っていたら、なんと日大には危機管理学部がある。2016年からスタートした新学部であるが、世田谷区の三軒茶屋に校舎があり、入学定員は300人と結構な規模である。

   筆者の悪いクセで、教授陣がどうなっているのかが気になる。ホームページで教員一覧があるので、教授20人の略歴をみると、9人が官僚OBであった。出身省庁は、法務3、警察3、国交省1、防衛2であった。官僚は、あまり危機管理は得意でないと思うのだが。

   いずれにしても、危機管理学部には今回の事件を是非ともケーススタディに取り上げていただきたいと思う。

   それに、同学部にはマスコミ出身も1人いる。なお、日大広報部は、マスコミ関係者を顧問にしているようだ。

まさに火に油

   となると、既にネットで話題になっているが、昨(23)日の内田前監督と井上コーチの記者会見で、司会をしていた広報部職員の対応は、危機管理としてはちょっといただけない。たしかに、同じような質問が各マスコミから相次いだのには閉口した。おそらく、各社とも上司から発破をかけられてきたのであろう素人記者が発する稚拙な質問が多かった。しかし、司会を務める広報部職員のトンでもぶりは、まさに火に油であった。

   昨日の記者会見は、素人でも突っ込みどころ満載であった。一つだけ言えば、内田氏が、6日の試合の反則タックルをみておらず、9日ぐらいに「ビデオで確認」し、「その前にネットで流れているのは見た」と発言した点だ。そして、文春デジタルで公開されている試合後の発言(「あれくらいラフプレーとは言えないでしょ」など)については、とにかく選手を守ろうという趣旨だったと弁明している。

   試合後に内田氏が発言していることは、かなり早くから知られていた。その発言をレコーダーでとっていた記者も多かったが、それが週刊誌に出るのは時間の問題だった(いつもの、記者本人が出さずに週刊誌を使うという手法)。それが週刊誌で出るので、昨日の記者会見は、内田前監督と井上コーチが観念したのかと思ったら、まったく真逆であった。しかも、反則タックルを見ていない、試合数日後の9日に見たなど、簡単に検証可能な反論をしてしまった。被害届けが出ているので、刑事事件として対処したらいい。

   大学人として唯一の救いは、日大学生選手の潔さだった。日大前監督、コーチ、広報部職員に比べると格段に好印象である。彼は加害者であるが、被害者の父親のFACEBOOKのような救済の動きもある。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「大手新聞・テレビが報道できない『官僚』の真実」(SB新書)など。


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