「わたしもう、そういうの卒業しちゃったからさ」。スーツ姿の安藤サクラさん(32)が満員電車の中、楽しそうに騒ぐ女子高校生を横目にこうつぶやく。「おとなって、なっがいよ~」、安藤さんはしみじみ語り、ペットボトルを片手に、仕事へと向かう――。
2018年5月19日からオンエアされているこの映像は、大塚製薬のロングセラー「ポカリスエット」の姉妹品「ポカリスエット イオンウォーター」の新CMだ。
「おとなって、どこいくんだろう......」
イオンウォーターは2013年発売、ポカリスエットよりも甘さを抑えたすっきりした後味で、その名の通り「水のように」飲めるとうたっている。商品パッケージも、濃いめの青色が印象的な「ポカリ」に対し、淡い水色を基調にしたデザインが印象的だ。
このほど、商品をリニューアルしたことを受けてCM展開を本格化、上記の「おとなは、ながい。~電車~」篇に加え、「おとなは、ながい。~野球~」篇がオンエアされている。ともに、働く女性である安藤さんが、女子高生や野球少年を相手に、
「もうさ、昨日も今日も明日も、10年後も20年後も50年後もずーっとおとななのね、私」
「おとなって、どこいくんだろう......」
などと語りつつ、イオンウォーターを手に「おとな」としての日常に踏み出していく、といった内容だ。ラストに表示されるキャッチコピーは、
「甘くない。
引きずらない。
もう、青くない。」
出演作「万引き家族」がカンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受けるなど、まさに「旬」の女優である安藤さんの存在感もあり、ツイッターなどでも、
「とても共感!! 大人って長い!」
「すごくグッとくる」
「セリフにすっごい共感するし好き」
などと、好意的な反応が多くつぶやかれている。
PR事務局の回答は...
一方、そのキャッチコピーに、「おや?」と思う人も出ている。
「次の朝ドラのヒロイン?の安藤サクラのCM『もう青くない』 半分青いとかけてる訳ではないよね?」(ツイッターより)
現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)は、ご存じのとおり永野芽郁さん主演の「半分、青い。」だ。一方、安藤さんはその次、10月から放送予定の「まんぷく」のヒロインに決定している。その安藤さんと「もう、青くない。」の組み合わせは、もしかすると「半分、青い。」に引っ掛けている――?
イオンウォーターのPR事務局によると、今回のCM展開は、イオンウォーターが「ポカリ」と違う、「『オトナ』の世界に生きる人たちのそばに寄り添うブランド」であることを打ち出したもので、件のキャッチフレーズについては、
「『あの頃』(=青の時代)を卒業した人たち(=おとな)にゴールが無い。イオンウォーターはポカリを卒業したおとなたちの為に有る事を想いとして込めております」
という。ただ、朝ドラにからめた類推については、
「恐れ入りますが、回答を控えさせて頂きます」
とのことだった。