2018年 10月 16日 (火)

一人カラオケの流れに乗れず... 「グループ重視」シダックスが「撤退」

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   「一人カラオケ等消費者のニーズが大きく変化した」――。カラオケ大手のシダックスが、「カラオケ館」などを運営するB&Vに事業を売却すると発表した。

   一時は店舗数が約300店まで拡大したシダックス。今回の売却の背景に一体、何があるのか。カラオケ業界に詳しい評論家は「グループ客をメインに捉え過ぎたことが一因にある」と指摘する。

  • シダックスのウェブサイトから
    シダックスのウェブサイトから

「グループ大勢で楽しむというのが主流でした」

   シダックスは2018年5月30日、運営子会社シダックス・コミュニティーの持ち株81%を6月7日付で「カラオケ館」の運営元・B&Vに売却し、同社に対する約97億円の債権も譲渡すると発表した。

   株式の売却後も、約180店あるカラオケ店への食材や消耗品の販売、業務管理システムの提供などを継続するが、店舗の運営からは撤退する。今後は、学校・企業の給食などを受託する事業に経営資源を集中する。

   シダックスは郊外を中心に出店を進め、一時は店舗数を約300店まで拡大した。だが16年、採算悪化で全体の約3割にあたる80店を閉鎖。その後もカラオケ事業の不振が続き、18年3月期の決算では3年連続の赤字を出した。

   シダックスの発表によれば、これは「一人カラオケ等消費者のニーズが大きく変化する市場環境の影響」によるものが大きい。同社の経営企画本部長は5月31日のJ-CASTニュースの取材に、

「昔は飲み会の後の2次会利用や、グループ大勢で楽しむというのが主流でした」

と回答。その上で、

「現在では娯楽の拡大(スマートフォンの普及など)により、カラオケを利用するグループ人数の変化(例:4人→2人や1人)や、『一人カラオケ』のような利用、また楽器演奏や勉強・ビジネス利用など、カラオケルームを一つの個室空間として利用するお客様など、利用ニーズが多様化していると感じております」

と説明した。

専門家「ここ数年は、かなり試行錯誤をしていた」

   「ファミリーやサークルなど、グループ客をメインに捉え過ぎたことが一因にあるでしょう」。シダックスが「市場環境の影響」を受けた背景について、カラオケ評論家の唯野奈津実さんは、5月31日のJ-CASTニュースの取材にそう指摘する。

   シダックスがカラオケ事業に参入したのは、1993年のことだ。唯野さんいわく、

「それ以前のカラオケボックスには、非行の温床と言われるほど、うす暗いイメージが付いて回っていました。ですが、シダックスはこれを明るいものに変えようとしたのです。家族やグループで安心して来られるよう工夫をこらしたことで人気を獲得し、一時は店舗数で全国第1位となりました」

   シダックスは郊外の一戸建て型店舗を中心に出店を進めていた。店内にHIPHOPやバレエ、ヨガなどの講座を開催する「シダックスカルチャークラブ」を設置し、地域コミュニティの場として機能。ファミリー層や地元の友人らで楽しめるカラオケ店として定着したのだ。

   ただこの数年、同業他社が店舗数を増やしている一方で、シダックスは減少の一途をたどっていた。「自社の狙いどころを昨今の顧客ニーズと合わせるのがなかなか難しかったのではないか」。唯野さんはそう話し、シダックスが当初、カラオケ事業のずっと前から学校・企業の給食事業を展開していたことを指摘。

「シダックスさんは『食』にもこだわりたかったのでしょうが、大人数のカラオケと違い、1人カラオケであまり食事を楽しもうとはなりません」

と説明した。

   さらに、「個人的には、今回の撤退に驚いていません。ここ数年は、かなり試行錯誤をしているように映りました」。自身のウェブサイトでは、

「90年代の『カラオケ・バブル』時代のような、『カラオケと言えば飲み会の二次会など大勢でお酒を飲みながらワイワイ』的なお客様をターゲットとした経営モデルを主軸に考えているカラオケ事業者は、この先は非常に厳しい」

との観測も示していた。

両社はうまく力を合わせられるのか?

   シダックスの発表では、「当社では主に郊外に出店してきた経緯がありますが、BV社は主に東日本を中心とした繁華街に多くの店舗を有することからロケーションの点で競合することはない」と説明。

「当社で今までに培った『レストランカラオケとしての高級感』や『食材の一元調達に関するロジスティックス』、BV社の有する『高度なカラオケ運営ノウハウ』や『出店場所に関するリサーチ力』等の経営資源」

を結合させ、店舗売り上げの拡大、ならびに利益率の向上を目指すとしている。

   唯野さんは「B&Vさんは『郊外に出店』する戦略をこれまで採っておらず、郊外店を運営するためのノウハウをそこまで有しているようには思えない」と指摘。「どのようにノウハウを活かしていくのか」とした上で、「(B&Vさんの)投資に見合うだけの、両社の相乗効果はさほど期待できないのでは?」と疑問を呈していた。

   一方、シダックスの経営企画本部長はB&Vとのノウハウ共有について、

「双方のカラオケ店舗の強み・ノウハウを共有して、店舗運営を進めていく所存ですので、不安はございません」

と説明した。資本提携先にB&Vを選んだ理由は、

「他の候補先と比較して、BV社が今後の事業運営面及び価格面の両観点からもっとも当社の希望と一致しており、株主価値の向上により株主様へも最も貢献できる先と考えたためです」

   ちなみに、シダックスの「看板」については「資本業務提携期間中は継続的に利用を予定しております」としている。

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