2018年 12月 15日 (土)

福島銀行に業務改善命令の衝撃 金融庁の本当の狙い

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   地方銀行の再編が進んでいる。2018年5月、東京都を主な地盤とする東京都民銀行と八千代銀行、新銀行東京が経営統合して「東京きらぼしフィナンシャルグループ(FG)」が誕生したばかり。10月には、新潟県の第四銀行(新潟市)と北越銀行(長岡市)が経営を統合する予定だ。

   そうしたなか、金融庁がこの3月期決算で7年ぶりに赤字に転落した福島銀行(福島市)に、業務改善命令を出していたことが6月2日、明るみとなった。福島県下には、同行のほかに地銀の東邦銀行(福島市)と第二地銀の大東銀行(郡山市)がある、いわゆるオーバーバンキングの地域。再編の風が強まっている。

  • 日銀のマイナス金利政策で地銀は青息吐息
    日銀のマイナス金利政策で地銀は青息吐息

「銀行イジメもいい加減にしてほしい」

   ある第二地方銀行の幹部がいう。

「いったい日銀は誰の味方なんだ。なんの成果もないマイナス金利を続けて、銀行イジメもいい加減にしてほしい」

   そう憤る気持ちはわからないでもない。そもそもの目的である2%の物価上昇目標が未だに達成できる見通しもないまま、マイナス金利政策を継続していることで、預金金利と貸出金利の差(利ザヤ)で儲けている銀行の収益は大きく縮小している。

   しかも、人口や企業数の減少で地方経済は疲弊していて、地銀の体力もまた落ちている。地銀の経営基盤が弱体化すれば、地方の金融サービス維持に支障が出かねない。そのことは金融庁も承知のうえで、2017年10月に発表した「金融レポート」では、地銀の収益減少のスピードが「予想以上に速まっている」と報告。貸し出しの利ザヤが伸び悩み、担保や保証に過度に依存した経営を続ければ、「本業」が赤字に陥る銀行は増えていくと警鐘を鳴らしていた。

   こうした状況を打開する「解決策」が、他の地銀との経営統合で生き残りを図るという、地銀自体の数を減らす戦略というわけだ。

   日銀がマイナス金利政策を導入したのが、2016年2月16日。それまでの金融緩和で、すでに預金は「ゼロ金利」だったこともあり、地銀の再編劇はこれに呼応する。

   2016年4月、地銀大手の横浜銀行(横浜市)と第二地銀の東日本銀行(東京都中央区)が経営統合して「コンコルディアFG」が発足。四国のトモニホールディングス(香川県高松市、傘下に香川銀行、徳島銀行)に、大阪を地盤とする大正銀行(大阪市)が合流した。この年10月には、西日本フィナンシャルホールディングス(福岡市、西日本銀行)に長崎銀行(長崎市)が合流。1990年代後半~2000年代初めの金融危機で一時国有化された栃木県の足利銀行(宇都宮市)と、茨城県の常陽銀行(水戸市)が「めぶきFG」を発足したのも16年10月だ。

   今年4月には、近畿大阪銀行と関西アーバン銀行(いずれも大阪市)、みなと銀行(神戸市)の3行が持ち株会社「関西みらいフィナンシャルグループ」の下で統合。三重銀行(三重県四日市市)と第三銀行(三重県松阪市)が経営統合して「三十三フィナンシャルグループ」が発足。今後も合従連衡は続く見通しだ。

ライバル銀行の出身者が後任社長に

   福島銀行が5月11日に発表した18年3月期決算(連結)によると、最終損益が30億円の赤字(前期は12億円の黒字)だった。森川英治社長(62)はその責任を取って辞任する。

   貸出金利の低下による貸出金利息の減少に加えて、含み損を抱えた投資信託を解約するなどの処理を実施したことが要因。また、業績悪化が懸念される取引先に対する予防的な貸倒引当金を積むなどの、今後発生する可能性のあるコストを前倒しで処理したことで赤字が増えた。

   地銀関係者らが顔色を変えたのは、森川社長の後任人事だ。ライバルの東邦銀行の元専務で、とうほう証券社長の加藤容啓氏(61)が就く(6月21日に開催する株主総会後の取締役会で正式決定)。

   さらに、福島銀行は森川社長のほか、常務業務本部長の久能敏光氏(61)と営業本部長の高野俊哉氏(60)も辞任するが、新しい執行役員には東邦銀行の執行役員営業本部副部長の宮下恵洋氏(58)が就くという。

   そこに追い討ちをかけるように、金融庁の業務改善命令だ。コンプライアンスや法令に違反したわけでもないのに、業務改善命令が発出されるのは異例。元横浜銀行で現在、地域金融機関のアドバイザリーなどを務めている大関暁夫氏は、「そこに金融庁の(再編への)強い意向が感じられます」と話す。

   福島県下の勢力図は、東邦銀行が圧倒的だ。少子高齢化による人口減少に悩まされているのは福島県だけではないが、東京電力福島第一原子力発電所の事故後の人口流出が止まらない福島県はとりわけ深刻。さらには復興需要で潤ってきた取引先企業の業績も下向きになってきた。金融庁が描いている再編図は明らかだ。

   大関氏は、「(地銀の収益悪化が)マイナス金利の影響はありますが、その『劇薬』が切れたからといって、もう生き残れる状況ではないんだよ、という金融庁のアナウンスではないかと思いますね。裏返せば、地域経済はそれほど疲弊しているということですし、そうそう新しい収益源など見つからない。決断する時間はそれほどないということです」とみている。

   いちばん焦っているのは金融庁かもしれない。

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