2018年 11月 17日 (土)

著作権保護「70年」ひっそり確定 「高プロ!モリカケ!」に埋もれて...

印刷
糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   「高プロ」が焦点になった働き方改革法案、ロングランの森友・加計学園問題、そして続く与党議員の失言――相も変わらず「紛糾」する国会で、ある法律が改正されることとなった。

   「著作権法」だ。2018年6月29日の参院本会議でTPP関連法が可決・成立したためで、結果、長年の懸案だった「保護期間の延長」が、ほぼ確定することとなった。

  • 新聞での扱いは小さかった
    新聞での扱いは小さかった

山本太郎「居酒屋で語ってる夢」とほえたが

   「『20年延長でどのように利益が出るか試算したんですか?』、政府に聞いても、『定量的に試算を行うのは困難であるため、試算は実際に行っておりません』と答える。(中略)居酒屋で語ってる夢レベルですよ」

   28日の参院内閣委員会、とうとうとまくし立てたのは、山本太郎・参院議員だ。メディアでもほとんど取り上げられなかったこの討論で、山本氏はひたすら異議を唱えたものの、結局その後、関連法は可決されることになる。

   日本では、小説や音楽などの保護期間は、作者の死後「50年」とされてきた。しかし欧米諸国では「70年」が主流だ。日本でも以前から、延長の是非が議論されてきた。期間が伸びれば、往年の名作の権利を持つ企業などは、当然それだけ「得」をすることになる。

   一方、再出版やデジタルアーカイブへの収録は、ハードルが高くなる。たとえば、著作権切れ(パブリックドメイン)となった文学作品を公開するサイト「青空文庫」だ。2016年には、江戸川乱歩(1965年没)の名作の数々が一挙にアップされ、ネットで自由に読めるように。作家に改めて注目が集まるきっかけともなった。

   だが、これが「70年保護」となれば、たとえば1970年没の三島由紀夫は、2040年まで青空文庫入りできない。作品の再評価の機会を逸し、アクセスを困難にし、そのまま忘却されかねない――反対派からは、こうした意見が上がる。

トランプ「ちゃぶ台返し」もぬか喜び

   環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加に当たって、この保護期間延長、そして著作権侵害の「非親告化」が議論の的になった。巻き起こったのは、日本のコンテンツ産業衰退にもつながりかねないとの異論だ。結局、非親告罪化について、対象を「海賊版」などに限定し、「コミケ」などの2次創作物は含まれない、とした上で、「保護延長」を含むTPP整備法が2016年に成立する。

   ところが、ここでちゃぶ台返しが。米国のドナルド・トランプ大統領が離脱を表明、TPP自体が暗礁に乗り上げたのだ。これで一連の著作権法改正も先送りに。反対派は胸をなでおろしていたのだが、日本は引き続き米国抜きの「TPP11」として協定を推進する。TPP11では著作権をめぐる内容は「凍結」されたものの、結局政府は「70年」を外すことはなく、29日の成立となった。

   一夜明けた30日付の全国紙朝刊はしかし、いずれも同じ日に成立した「働き方改革」「高プロ」を1面トップに。朝日が「TPP関連法も」の小見出しで、「著作権の保護期間は死後50年から70年に延びる」と言及したのが、1面での数少ない言及となった。政界でも、たとえば直前27日の党首討論では、「モリカケ」追及に野党が時間を費やした一方、この問題が主要なテーマとなることはなかった。いったん決まったものが再確定しただけ、といえばそうではあるが、ネット上では脱力、嘆息の声が相次いでいる。

   施行はTPP11の発効のタイミングとなる。

今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
転職
20代の転職で一番大事なこと プロが「能力」より「素直さ」と断言する理由

「未曽有の人手不足」と言われる昨今、活況が続く現在の転職市場では、20代の若手人材に対する需要も以前とは比べものにならないほどだ。とはいえ、転職を成功させるために十分な準備が必要であることは変わらない。

PR 2018/10/31

ad-kyouryoku-kaidan2.png
秋の夜長に「最恐怪談」はいかが?

この秋、「最恐怪談」が、さらにパワーアップして帰ってきました。赤羽の地に集まったのは、怪談界でも指折りの3人の語り部たち。今宵は、背筋も凍る、このお話からお聞かせしましょう......。

PR 2018/10/9

姉妹サイト
    loading...

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中