2024年 4月 24日 (水)

御嶽海優勝、長野出身は江戸時代以来 地元は「イキがってはいましたが...最高の孝行息子」

   大相撲の関脇・御嶽海が名古屋場所14日目に初優勝を決め、地元の長野では大変な盛り上がりとなっている。

   同県松本市が本拠地のサッカーJ2・松本山雅FCは、ちょうどこの日ホームゲームが行われ、優勝直後にスタジアム内の大型ビジョンで速報を出した。また、長野県出身のあの五輪金メダリストも、すぐにツイッターで反応を見せた。

  • 初優勝した関脇・御嶽海(日本相撲協会公式サイトから)
    初優勝した関脇・御嶽海(日本相撲協会公式サイトから)
  • 初優勝した関脇・御嶽海(日本相撲協会公式サイトから)

松本山雅「ご来場の皆様に嬉しいお知らせがございます」

   御嶽海は名古屋場所14日目の2018年7月21日、前頭13枚目・栃煌山を寄り切りで下し、13勝1敗。2敗力士がいないため千秋楽を待たずに初優勝が決定した。3横綱・1大関が休場し、高安と豪栄道の両大関も存在感を見せられない中、初日から12連勝。12日目に初黒星を喫したものの、14日目は盤石の相撲で賜杯を手にした。

   記録づくしの優勝となった。初土俵から21場所目での幕内最高優勝は、年6場所制となってからは、輪島、琴光喜に次ぐ3位のスピード。また、平成出身力士としては2015年の照ノ富士以来2人目で、出羽海部屋力士としては1980年の三重ノ海以来38年ぶりだ。

   さらに長野県出身としては、優勝制度ができた1909年以降で初めての力士だ。それ以前までさかのぼれば、信濃国生まれで、江戸時代の1810(文化7)年に優勝相当の成績をあげた伝説の力士・雷電以来、なんと208年ぶりとなる。

   歴史的な優勝とあって、地元の長野では早速祝福ムードがあふれた。いち早く反応したのがJ2の松本山雅だ。

   この日18時から、京都サンガとの第24節をホーム・松本平広域公園総合球技場(愛称:アルウィン)で控えていたところ、優勝決定から数分と経たないうちに、場内の大型ビジョンでこうアナウンスした。

「ご来場の皆様に嬉しいお知らせがございます。先ほど大相撲名古屋場所において、上松町出身の力士、御嶽海関の幕内最高優勝が決定しました」

   観客からは大歓声が上がった。この模様はクラブ公式ツイッターが動画でアップし、「試合開始前のアルウィンも大盛り上がりでした! おめでとうございます」と伝えている。

「やはり重圧感は厳しかったでしょう」

   御嶽海は6月23日、松本山雅のホームでのジェフ千葉戦で、スペシャルゲストとして試合前のイベントに登場し、観客を喜ばせた。また、今場所に自身初の中日勝ち越し(初日から8連勝)を決めた時は、山雅ツイッターが「御嶽海関が8連勝! 信州出身の皆さんたちのご活躍から刺激を受けて松本山雅も頑張ります」と祝福していた。

   御嶽海の出身地、上松(あげまつ)町観光協会の公式ツイッターも優勝から間もなく、「スゴい!!!! ありがとう御嶽海関!」と投稿。観光案内所に祝いの垂れ幕をおろした写真をアップした。強気な発言もある御嶽海だが、優勝直後のインタビューでは感極まり、十数秒の「男泣き」。すると同観光協会は、

「御嶽海関、嬉し涙の優勝インタビュー。イキがってはいましたが、やはり重圧感は厳しかったでしょう。本当にお疲れ様でした。地元の、最高の孝行息子になってくれました」

と労った。

   NHK「ニュース7」では、優勝を見届けた地元のパブリックビューイングの模様を伝え、フィリピン出身の母・マルガリータさんは「信じられない、こんなこと。よくやった。おめでとう。それだけです」と目を赤くした。JR長野駅前では号外が配布されていた。

   長野出身で、平昌五輪スピードスケート金メダリストの小平奈緒選手も反応した。ツイッターで「御嶽海関 初優勝おめでとうございます」と切り出し、

「自分なりに、克服してきたことも多かったと思います 勝ちを重ねる毎に逞しく見えました #やったね #みーたん #信州の星」

と称えた。加えて、そこは現役アスリート。「#千秋楽もきっちりと」と今場所最後の一番の勝利も願った。

   さらにはこの人も。プロ野球・中日ドラゴンズの元投手として50歳まで現役を続けた山本昌氏(52)が、ツイッターで、

「御嶽海初賜杯おめでとうございます。東海テレビの番組でご一緒して相撲を一番とらせてもらいましたが本物の力士の力にびっくりしました。私も両親が長野県出身ですから嬉しいです。これからも頑張ってください」

と縁を感じて祝福している。

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