「番組側から自虐に走るのか」「面白いけど大丈夫なのか...?」――「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)に、視聴者がざわつく一幕があった。すっかりタブーになっている「あの騒動」を思わせるような、「攻めた」ナレーションが飛び出したのだ。2018年8月5日の放送では、無人島開拓企画「DASH島」が主な舞台に。TOKIOの松岡昌宏さんらによる、ワイルドな干しダコ作りなどがオンエアされた。流行りの「サップヨガ」に挑戦するが一方、リーダーこと城島茂さんは「サップヨガ」にチャレンジすることに。海にボードを浮かべて、その上で行うヨガだ。米国を起点に流行が拡大、日本でもブームの兆しがあるという。番組の恒例規格である「七夕相撲」に向け、必勝を誓う城島さんが体幹を鍛えるべく、この最新ヨガに挑む――という筋書きである。城島さんは手作りのボードを入り江に浮かべ、定番の「英雄のポーズ」にチャレンジする。バランスが悪いため、「足広げるだけでも大変! 結構難しいね~」と苦戦するも、次第にサマになるように。ところがここで「アクシデント」が。ボードをつないでいたロープがほどけてしまったのだ。折からの風と潮の流れもあって、「英雄のポーズ」を決めたまま、城島さんを載せたボードは沖に向かって漂流し始めてしまう。「時代という風を受けてるよ! 乗ってるよ! 波に乗ってるよ! 流されてくよ~!」叫ぶ城島さんに、ここでナレーションが重なる。「このままでははるか沖へ。リーダーがグループ離脱となってしまう」山口さんを思い出す人も...グループ離脱といえば嫌でも思い出すのが、山口達也さんの存在である。女子高生への強制わいせつ問題で「グループ離脱」、芸能界から引退したのは、ちょうど3カ月前のことだ。その一件を想起させるような「攻めた」ナレーションに、視聴者はどよめいた。ツイッターでは直後から、こんなツイートが。「『リーダーがグループ離脱となってしまう』ってすごいブラックジョーク」「鉄腕DASHはギリギリを責めますね」「公式があれこれネタにしていくのは笑うしかない」自虐めいたネタに「大丈夫か?」と心配する声もあったが、多くは好意的に受け止めたようだ。ツイート数が多いキーワードを集計するYahoo!リアルタイム検索でも、「グループ離脱」が一時上位にランクインした。一連の問題の後、山口さんの名前や過去映像は「DASH」では登場していない。一方で、「山口さんを暗示しているのでは?」と思わせるようなナレーションや演出は、過去にも何度かあった。たとえば6月24日の放送では、「ピンチ」に陥った松岡さんらの映像に、「これ以上、メンバーが減っては困る」とナレーションがかぶさった。また7月8日の放送では漫画「タッチ」の上杉「達也」が、いささか唐突に話題に上る場面が。あえて「タブー」に触れるような一連のネタ。ツイッター上では、「いつまでもメンバーの件を引きずらずに笑い飛ばせるぐらいの気持ちで行くってことか」と解釈する人もある。なお、漂流しかかった城島リーダーだが、風の助けも借りてなんとか自力で岸へ。しかしトレーニングの甲斐なく、「七夕相撲」は今年も敗北に終わった。
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